本日は、「新発見・新指定の文化財」展の
2回目のミュージアムトーク(展示解説)を開催しました。
晴れてはいたものの、風の強い日で、
午前中は来館者も少なかったのですが、
午後からは、少し人数も増えて、
12名の方々にご参加いただきました。
企画展の構成上
さまざまな種類の文化財をご紹介するため
話の的をしぼるのもむつかしく
担当者としても
トークには苦労しているところなのですが
みなさまじっくりと解説を聞いていただきました。
ほんとうに、ありがとうございました。
トークの風景はこんな感じです。
(画像をクリックすると拡大します)
ところで、
今日は、屏風(びょうぶ)の数え方についてのご質問がありましたので
少しご紹介しておきます。
今回は、
六曲一双(ろっきょくいっそう)の屏風と、
二曲一隻(にきょくいっせき)の屏風を展示していますが
一双(いっそう)と一隻(いっせき)にのちがいについてのご質問でした。
屏風はちょっと変わった数え方をしまして
一つだけだと一隻と数えますが、
この一隻が二つあると一双となります。
つまり一双とは一対(いっつい)と同じように
二つでワンペアになったものを指すのです。
ちなみに、旧字体の漢字で書くと
「双」という字は「雙」となりますので
「隻」という字を二つ重ねて書いたような字になるのがわかります。
つまり、二隻=雙(双)となるわけです。
展示室の解説キャプションなどに
六曲一双と書かれている場合
一双とあるので一つのように思えますが、
実際には、屏風の画面が二つでペアになっている
ということをあらわしているのです。
なお、余談ですが、
六曲(ろっきょく)とか二曲(にきょく)というのは、
屏風の折り曲げられているパネルのような部分の数をあらわしています。
このパネルのような部分の一枚一枚は「扇(せん)」と呼ばれ
右から第一扇(だいいっせん)、第二扇(だいにせん)
のように数えられます。
(画像をクリックすると拡大します)
この画像は、かつて
平成18年(2006)に当館で開催した「屏風をひらくとき」
という企画展で作ったキャプションです。
ご参考まで。
ちょっとむつかしいのですが、ご理解いただけたでしょうか?
このように、ミュージアムトークは、
学芸員に直接いろいろ質問できるチャンスでもあります。
どんなご質問でも構いません。
ぜひ、ご参加ください。
今後のミュージアムトークの予定は、
3月28日(日)、4月3日(土)、4月11日(日)
の、計3回です。
時間はいずれも、13:30?14:30です。(学芸員 安永拓世)
→企画展 「新発見・新指定の文化財」
→和歌山県立博物館ウェブサイト