トップページ >博物館ニュース >コラム 大村家長屋門の近代

コラム 大村家長屋門の近代

大村家屋敷の主屋や長屋門は、明治30年(1897)ごろに和歌山城の1.5km程南の堀止東に移築されました。
移築したのは陸軍を退役したばかりの白樫甚一氏(1847~1918)で、
白樫本家から分家するにあたり、自らの住まいとするためでした。
白樫甚一
 写真 白樫甚一氏 個人蔵 〔今回展示していません〕
主屋には白樫家の家族が住まい、長屋門は表門の機能のほか借家にも使われました。
大村家の主屋は現存していませんが、白樫家に残されていた古写真によって、その片鱗を知ることができます。
主屋には来客用の玄関があり、内部には書院座敷が備わる格式高い造りでした。
大村家の長屋門は、大村家から白樫家へ、そしてその後さらに所有者が替わりながらも、時代を超えて受け継がれました。
映画「紀ノ川」では、堀止東にあった長屋門の前で、撮影が行われています。
47 アルバム(映画「紀ノ川」での撮影風景)DSC_1615 アルバム(映画「紀ノ川」撮影風景」) 個人蔵 〔展示番号47〕
時には映画撮影のロケ地となって、人々に親しまれ続けたのです。
おわり
次回のミュージアムトークは7月15日(土)です。
ミュージアムトーク終了後、現地見学会(旧大村家住宅長屋門)を行います。
(文化遺産課 主査 御船達雄)
→企画展「紀伊徳川家の家臣たちⅡ」

ツイートボタン
いいねボタン