「お身代わり仏像」制作のための公開三次元計測のお知らせ
和歌山県立博物館では、県立和歌山工業高等学校、和歌山大学教育学部の協力を得て、3Dプリンターを用いた文化財の精巧な複製を制作し、文化財の防犯対策・防災対策等への活用を図っています。高齢化や人口減少などの要因により、管理や保全が困難になっている地域の寺社等にある文化財を博物館等で保管し、信仰されてきた環境も従来通り維持するための取り組みとして、平成24年度から30年度までに、県内13か所の寺社に26体の「お身代わり仏像」を安置してきました。
現在、和歌山工業高等学校産業デザイン科の生徒とともに、九度山町九度山に所在する槙尾山明神社の神像2体(高野明神立像・白鬚明神坐像)について、年内の奉納をめざして、お身代わり仏(神)像の制作に取り組んでいます。
対象となる神像2体は、ただいま県立博物館で開催中の特別展「仏像と神像へのまなざし」(会期:4月27日~6月2日)にて出陳中であり、このうち未計測の「白鬚明神坐像」について、特別展会期中の5月31日(金)に博物館内において、公開三次元計測を行う運びとなりました。
文化財の保護と継承にあたり、高校生らが地域の課題解消に取り組んでいるようすを、どうぞご自由にご見学ください。
開催日 令和元年(2019) 5月31日(金)
時 間 13:00~14:30(終了予定)
場 所 和歌山県立博物館 2階 学習室
参加者 県立和歌山工業高等学校の生徒・教員、九度山町・槙尾山明神社の関係者のみなさん
作業内容
神像を3Dスキャナーにて様々な方向から計測し、パソコンの画面上でデータをつないで3Dデータを作ります。和歌山工業高等学校の生徒がオペレーターを務めます。
今回計測する「白鬚明神坐像(しらひげみょうじんざぞう)」
像高18.6㎝の小さな神像です。
平安時代後期(12世紀)の造像。