和歌山大学生による苅萱石童丸物語絵解き
日 時:平成23年(2011)7月18日(月・祝) 15:00~16:00
会 場:和歌山県立博物館ロビー(和歌山市吹上1-4-14)
和歌山大学教育学部と和歌山県立博物館では、学生が和歌山の魅力あふれる歴史を知り、そしてその魅力を伝えていく担い手となるために、2009年には那智参詣曼荼羅、2010年には道成寺縁起を素材として、学生たちによる絵解きの実演を博物館を会場として行ってきました。
今回はその第3段として、高野山を舞台とする苅萱石童丸物語という物語を素材として、絵解きの実演を行います。説教(せっきょう)節(ぶし)、歌舞伎(かぶき)、浄瑠璃(じょうるり)や謡曲(ようきょく)の素材となって広く親しまれた、親と子の別れを基軸とする哀しい物語を、伝統的な語りと、新たに創作した語りから、お楽しみ下さい。
なお、当日は13:30~14:30で、企画展「葛城修験の聖地・中津川行者堂の文化財」の展示解説も行います。
内容
1、趣旨説明 海津一朗(和歌山大学教授)
2、苅萱石童丸物語絵解き
高野山苅萱堂で行われている絵解きをもとに和歌山大学の学生が実演します。
3、苅萱石童丸物語の諸本にみる千里姫と桂子御前の描かれ方
さまざまなバリエーションがある苅萱石堂丸物語についての報告です。
4、人魚ミイラが語る創作苅萱石童丸絵解き
和大生が新たに作製した、学文路苅萱堂版の苅萱石童丸物語絵解きの実演です。
苅萱石童丸物語のあらすじ
加藤左衛門尉繁氏は、妻と妾の嫉妬心を見て世の無常を感じ、領地と家族を捨て都にのぼり、法然に出会って出家・得度した。苅萱道心と名のった繁氏は高野山に登った。
息子石童丸は、母とともに父を探して高野山に向かった。女人禁制のため母は麓の宿に待ち、石童丸が一人山に登った。石童丸が山上で偶然に出会った僧は父繁氏であったが、わが子と気づいた苅萱道心は父と名乗らず、その人物はすでに死んだと告げた。
悲しみの中石童丸が山を下りると、母は長旅の疲れで他界していた。失意の石童丸は再び高野山に登り、苅萱同心の弟子となり、互いに親子の名乗りをすることなく仏に仕えた。
主催:和歌山大学教育学部・和歌山県立博物館