【第1回】 重要文化財 太刀 銘 安綱
(たち めい やすつな)
附 糸巻太刀拵 (徳川家康所用)
(つけたり いとまきたちこしらえ (とくがわいえやすしょよう))
刀身:鉄製鍛造 拵:木製漆塗蒔絵
1口
刀身:平安時代 拵:江戸時代
刃長80.6? 拵長103.6?
紀州東照宮蔵
徳川家康(とくがわいえやす、1542?1616)が使っていたとされる太刀です。刀身には「安綱」の銘があることから、平安時代の後期ごろに伯耆国(ほうきのくに、現在の鳥取県)で活躍していた安綱(やすつな、生没年未詳)という刀工の作であることがわかります。この太刀は、紀伊藩初代藩主の徳川頼宣(とくがわよりのぶ、1602?71)が、父・家康の遺品として受け継ぎ、家康の50回忌にあたる寛文5年(1665)に和歌浦の紀州東照宮(きしゅうとうしょうぐう)へ奉納したものです。太刀を収納するための鞘(さや)や柄(つか)などを含む拵(こしらえ)と呼ばれる部分は、奉納に際して作られたと考えられます。(学芸員 安永拓世)