スポット展示
緊急公開!帰ってきた仏像
平成25年6月1日(土)~7月15日(月・祝)
平成22年(2010)から翌年の春にかけて、和歌山県下では連続60件に及ぶ、全国的にも類例のない規模の文化財盗難事件が発生しました。犯人は逮捕されたものの、売り捌かれた文化財の多くが今もなお未発見のまま、本来の所蔵者の元に戻っていません。
紀の川市穴伏の円福寺でも、平成22年10月、11体の仏像が盗難被害を受けました。そのうちの3体が、今年、平成25年(2013)2月に発行されたオークション会社のカタログに掲載されていることが分かりました。ただちに所蔵者、オークション会社と連絡を取り合って、このたび無事に、仏像を円福寺に取り戻すことができました。
さらなる盗難被害文化財の発見につなげる希望の光として、今回取り戻された円福寺の仏像3体を速報でご紹介します。展示を通じて、盗難被害の実態とその防ぎ方について考えていただく機会となりましたら幸いです。
なお、スポット展示での公開に引き続き、企画展「未来へ伝えよう私たちの歴史-文化財の魅力発見!-」(会期:7月20日(土)~9月1日(日))でも、展示公開いたします。
1、主 催 和歌山県立博物館
2、会 期 平成25年6月1日(土)~7月15日(月・祝)
3、会 場 和歌山県立博物館 2階 スポット展示コーナー
4、開館時間 午前9時30分~午後5時
5、入 館 料 無料(ただし、常設展示室・企画展示室へ入室される場合は入館料が必要)
6、出陳資料 愛染明王立像、愛染明王坐像、弘法大師坐像(全て円福寺所蔵)
愛染明王立像 江戸時代 像高51.0㎝
愛染明王坐像 江戸時代 像高26.3㎝
弘法大師坐像 江戸時代 像高21.5㎝
円福寺の仏像が掲載されたオークションカタログ
→和歌山県下で盗難被害に遭い発見されていない文化財について
→和歌山県立博物館が保管する所蔵者不明の盗難文化財について(PDFファイル、1MB)
(主査学芸員 大河内智之)