今日(8月7日)は、博物館実習の5日目のようすです。
いつもの通り、9:00に博物館へ集合して、9:15に朝礼。
今日は、いよいよ、写真撮影の実習です。
まず、9:20から10:30までは、1時間ほど、文化財と写真についての講義をしました。
本や図録に掲載されている文化財の写真は、よくよく見てみると、同じ作品でも意外に写真の色やカットが異なります。こうした事例などを挙げながら、文化財撮影のポイントや重要性について、たくさんの図録や図版、写真などを見ながらお話ししました。
同じ絵でも、本によって全然色がちがう…。
仏像の造形を把握するには、モノクロ図版の方がわかりやすい場合もありました。
文化財を撮影するバックの色にも、色々なものがあります。
どんなバックの色が、文化財を見やすいでしょうか。
作品の個性を引き出す撮影か?それとも汎用性の高い写真を求めるのか?
時と場合に応じて、文化財写真もさまざまでした。
ともかくも、色々な写真や図版を見て、その最終的なイメージや理想的な写真を思い描いてから撮影しないと、いい撮影はできません。
さて、10:30からはいよいよ当館の嘱託カメラマンの登場。
写真原理などを説明してもらったあと、重?いカメラバックを持たしてもらったり、
ネガ、ポジ、35?、6×7、4×5、8×10など、さまざまな写真を見ました。
さて、昼食をはさんで、午後からは、いよいよ実際の撮影を学びます。
実習生担当の安永は、13:30?14:30ごろまで子ども向けミュージアムトークをおこなっていたので、くわしい撮影には立ち合えなかったのですが…
撮影したのは、湯釜(ゆがま)。
脚があって、影が重なりやすいむつかしい撮影対象です。
ライティングは、左前からのメイン、やや離れた正面からのフロント、上部から光を落とすスカイの全部で3方向。
一つずつライトを当てて、影が出る方向を確認したり、ストロボの説明を受けたり。
メーターで光量を測って、絞りの値を決めます。
ポジの撮影の前には、ポラロイドで出来上がりの雰囲気を確認します。
実習生も6×7のフィルムを装填して、撮影したようですが、そのときの写真はありません…。ゴメンナサイ。
その後、デジカメでの撮影もおこないました。
光を反射させて、暗くなっている部分にも光をあてる「レフ板」を持ったりもしました。
撮影する人は、どこからどこまでを画面に入れて撮影するかも、重要なポイントになります。
結構むつかしい撮影対象だったこともあり、じっくり説明しながら撮影してもらうと、あっという間に16:00。
例の通り、実習ノートを書いて終了です。
一部の実習生には、閉館後にスポット展示の展示替えを手伝ってもらいました。
煙草盆を斜めに置くというアイデアは、実習生との話し合いの中から生まれました。
ありがとうございます。
さて、長かった(?)実習も、残すところあと1日。
明日は、工芸資料の取り扱い実習と、梱包実習です。頑張りましょう。(学芸員 安永拓世)