5月3日(金・祝)は、「桑山玉洲のアトリエ」展の博物館講座が開催され、
「アトリエを通して見る桑山玉洲」という演題で、講演をおこないました。
ここ数日、5月とは思えないほど、涼しい気温の日が続いていましたが、本日は、5月らしい暖かい天候にもめぐまれたこともあってか、参加者はかなり多く、45名の方々にご参加いただきました。
皆さま、連休でお休みのなか、ありがとうございました。
会場の風景はこんな感じです。
講演は、
はじめに
1.玉洲旧蔵の書画
2.玉洲所用の画材道具
3.玉洲所用の印章
おわりに
という構成で、
今回の展覧会で初公開となった、桑山家旧蔵資料のうちの、玉洲旧蔵資料の位置づけについてお話ししました。
展覧会の図録にも、可能な限り、こまかい画材道具の中身や印章についての写真を掲載していますが、今回の講演会では、展覧会図録にも掲載していないような、より細かい写真などをご紹介して、玉洲所用の画材道具や印章の意義をはじめ、その細かい部分の魅力、さらには、玉洲が使っていたというリアルな実感をお伝えできるように努力してみたつもりです。
当日のレジュメは
→博物館講座「アトリエを通して見る桑山玉洲」レジュメ
時間の関係で充分にお話しできなった部分もありましたが、展覧会の趣旨や、今回発見されて初公開している玉洲旧蔵の書画や画材道具の重要性については、ある程度、ご紹介できたのではないかと思います。
今回の博物館講座を通して、玉洲のアトリエの魅力を、あらためて再発見していただけましたら幸いです。
なお、今回の特別展の博物館講座は、本日のみですが、
5月18日(土)には、「国際博物館の日」記念講演会が開催されます。
◆「国際博物館の日」記念講演会
「語り合う 桑山玉洲の魅力」
日時:5月18日(土)13:30~15:00
講師:近藤 壮氏(和歌山市教育委員会 文化振興課 学芸員)
対談:近藤 壮氏・安永 拓世(当館 学芸員)
会場:県立近代美術館(博物館となり)2階ホール
次回の記念講演会に、講師としてお迎えする近藤壮氏は、2006年に、和歌山市立博物館で、大規模な「桑山玉洲」展という特別展をご担当された方です。
玉洲の画業や資料について、日本で一番よくご存じな方でもあります。
記念講演会では、その近藤氏に、約1時間ほどのご講演をいただき、そのうえで、残り30分ほど、対談というか、玉洲について、さまざまな意見を交換する場を設けたいと思っております。
基本的には、今回の展覧会を担当した当館学芸員の安永が、近藤氏に質問や対談をするという形式を取りたいと考えておりますが、会場からのご意見やご感想も受け付けたいと思っております。
玉洲について、色々と質問やご意見をお持ちの方は、ぜひ、5月18日の記念講演会にご参加いただけましたら幸いです。(学芸員 安永拓世)
→特別展 桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―
→和歌山県立博物館ウェブサイト