今日は、3回目のミュージアムトーク(展示解説)を行いました。
今日は30人ほど集まってくれましたが、ほとんどが大人の方でした。
2枚の絵図から、和歌山城や城下町の成り立ちを少し詳しくお話しさせていただきました。
参勤交代のコーナーでは、紀伊藩の参勤交代の様子をお話しさせていただきましたが、
交通手段の発達した現在において、当時の様子をイメージとしてもつのは難しいようです。
展示にもう少し工夫がいるなと実感しました。
展示の作品の一つを紹介しましょう。
違鷹羽紋滴水瓦(ちがいたかのはもんてきすいがわら) 一点
1600年(慶長5年)~1619年(元和5年) 和歌山城管理事務所蔵
滴水瓦は朝鮮半島に由来する軒平瓦の一種で、逆三角形の瓦当(がとう)部をもっています。
厚さは1.7㎝前後と薄く、瓦当面上部は大きく面取り(最大幅2.2㎝)されています。
豊臣秀吉が朝鮮出兵を命じた際、朝鮮に出陣した武将たちは朝鮮の職人を連れて帰り、
滴水瓦を焼かせたといわれています。
慶長5年の関ヶ原の戦い後、紀州に入国した浅野幸長(よしなが)も朝鮮出兵に参加しています。
違鷹羽紋は、浅野氏の家紋です。
今日は、博物館実習の最終日でした。
午前中は、実習生3人と一緒に、和歌山城内を見学してきました。
現在、開催中の企画展では、博物館での展示だけでなく、
歴史を語る文化財という視点から、
改めて自分の目で和歌山城を見てもらいたいと考えています。
ミュージアム・トークのあと、実習生のみなさんと今回の企画展について意見交換を行い、
今回の実習も終わりました。
現在、和歌山城天守閣では、「和歌山公園写生大会」の入賞作品が展示されています。
8月21日(日)までです。
博物館で展示をご覧いただいたあとは、和歌山城で子どもたちの力作をご覧下さい。
次回のミュージアムトークは、8月13日(土)の13時30分から行います。
(主任学芸員 前田正明)