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子ども向けミュージアムトーク(5回目)が行われました

 今日は、5回目のミュージアムトーク(展示解説)を行い、子どもさんから年配の方まで、36人集まってくれました。

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 今日は、和歌山の歴史を、絵図や発掘された遺物、写真パネルなどからお話しさせていただきました。
さらに、今回はあまり触れていませんが、城内に残されている石垣に使われた石の種類や組み方、
一部の石垣にみられる「刻印」というマークからも、
石垣が築かれた時期がわかることなどをお話しさせていただきました。
 城内には解説板なども設置されています。
お時間のある方は、展示をご覧いただいたあと、城内を散策していただければと思います。

 展示の作品の一つを紹介しましょう。

 塩焼壺 (しおやきつぼ)  一点
 1654年(承応3年)~1682年(天和2年)  和歌山市教育委員会蔵

5塩焼壺 (部分、画像をクリックすると拡大します)

 和歌山城二の丸の西部、中奥と呼ばれる建物があった場所から出土しました。
塩焼壺は湯呑形をした土器で、
本来、粗塩を二度焼して精製し、焼塩(食卓塩)を作るためのものでしたが、
蓋(ふた)をつけ、製品の容器として出荷、販売されるようになりました。
側面に「天下一堺みなと/藤左衛門」の刻印があり、
制作年代は「天下一」の称号を受領する1654年から、
「天下一」の禁令が出る1682年までと考えられます。

 今回紹介した塩焼壺をはじめ、
二の丸西部出土のやきもの(展示番号7)のうち「中奥」墨書陶器を除いて、
『史跡和歌山城 御橋廊下復元及び二之丸西部・西之丸第一期整備報告書』
(和歌山城管理事務所、2007年)に掲載されています。
また、「中奥」墨書陶器は、『史跡和歌山城 第25・26次発掘調査概報』
(財団法人 和歌山市文化体育振興事業団、2002年)に掲載されています。
ご興味のある方は、これらの報告書をご覧下さい。

 また、和歌山市役所南別館(西の丸広場観光バス駐車場付近)1階に「和歌山城歴史展示室」があり、
和歌山城の築城の始まりから、今日までの整備状況をパネルを中心に紹介しています。
利用時間は9時から17時まで、休室日は12月29日~翌年1月3日、入館料は無料です。

 次回のミュージアムトークは、8月27日(土)の13時30分から行います。
(主任学芸員 前田正明)

お城の話
和歌山城と城下町に住む人々
和歌山県立博物館のウェブサイト