和歌山市立日進中学校の2年生2人が、6月9日(木)から10日(金)までの2日間、職場体験学習に来てくれました。
初日は、まず博物館の仕事を簡単に説明し、館内の施設をみてもらいました。
11日(土)から始まる企画展「葛城修験の聖地・中津川行者堂の文化財」の展示替え作業の見学、収蔵庫への資料の搬入作業の補助などを行ってもらいました。
その後、守衛室や中央監視室も見学し、それぞれ担当の人から説明を受けました。
午後は、7月23日(土)から始まる夏休み子ども向け企画展「和歌山城と城下町に住む人々」に合わせて作成するワークシート作りの準備作業をしてもらいました。
まず、和歌山城の天守閣に登り、江戸時代の城下町の絵図を見ながら、現在その痕跡がないかを調べてもらいました。天守閣から南の方面をみると、眼下に博物館がみえ、その向こうに寺らしき建物がいくつかあるのを見つけてくれました。
確かに、絵図にも寺がまとまって記されています。その辺りは、寺町と呼ばれています。
江戸時代の絵図のコピーをみながら、寺町方面を眺める二人
つぎに、天守閣を降りて、城周辺に立てられている「標柱」(まちしるべ)の調査を行いました。
「堀詰橋跡」の標柱のすぐそばには、「紀州藩表千家屋敷跡」の石碑が建っていることもわかりました。
表千家の4代である千宗左(せんのそうさ)は、紀伊藩の茶道をつとめ、三木町に屋敷が与えられています。
2日目は、まず展示室のガラス拭きです。9時30分に開館なので、それまでに終わらないといけません。
つぎに、展示替えの作業に来てくれている美術品取り扱い専門の作業員さんから話を聞きました。
40年以上もこの仕事をしている超ベテランの人です。時には国宝や重要文化財に指定されているもので壊れやすい文化財を取り扱うこともあり、緊張の連続ですが、やりがいのある仕事ですと聞かせてもらいました。
その後、残りの二か所の「標柱」(まちしるべ)の調査を行いました。
すぐ近くにあった「徳川吉宗誕生地」と刻まれた石碑をみて、帰ってきました。
(博物館二階で開催している「スポット展示」で、関連する資料を展示しています)
館に帰ってから、他館から送られてくるポスターやチラシの入れ替え作業をしてもらいました。
最後に、明日から始まる企画展で、来てくれた子どもに配る「子どもクイズ」の原稿をみながら、展示室をまわり、わかりにくところがないかをチェックしてもらいました。
午後からは、それぞれ受付・ミュージアムショップ・展示室内での来館者の対応を行ってもらいました。
今回の職場体験について、2人に感想を聞いてみました。
ぼくは、博物館に職場体験学習に来て、良かったと思いました。始めは博物館に行くと決まった時、ちょっといやだったけど、実際に行ってみると楽しかったです。
僕は2日間博物館ではたらいて思ったのは、ウラではしんどい仕事をしている人が、たくさんいるとしった。2日間だけだったけど、楽しかったです。
博物館に来てもらって、少しでも身近に感じてもらえれたことは良かったです。
夏休みの企画展にも来てくれるのを楽しみにしています。
(主任学芸員 前田正明)