和歌山県立博物館友の会マイミュージアムギャラリー
第32回展示 「お召列車と恩賜のたばこ」
【出 陳 者】 松山 義一
【展示期間】 平成24年10月27日(土)~12月21日(金)
【出陳資料】 恩賜のたばこ、通達「お召列車の運転について」
【資料をめぐる思い出】
「私が国鉄職員として勤めた39年の中で、天皇陛下がお乗りになるお召列車(おめしれっしゃ)には、2度関わりました。
初めての関わりは、戦後間もない昭和20年代後半、お召列車の車掌の補欠に選ばれました。実際の乗務はありませんでしたが、恩賜(おんし)のたばこを1本、頂きました。
そしてもう1度は、昭和52年、妙寺駅に勤めていた時のことでした。警備のために立ったホームでは、通過する列車に背を向け、振り向かないようにと言われたことが、記憶に残っています。」
【学芸員の一口メモ】
お召列車とは、天皇、皇后、または皇太子が乗る専用列車のことです。
お召列車の運行は、車両の準備や乗車地への輸送に始まり、通常ダイヤへの影響、通過駅も含めた路線の警備など、さまざまな点で多くの準備が必要です。
展示している昭和52年3月31日付「お召列車の運転について」は、この年の4月に和歌山県で行われた全国植樹祭への天皇・皇后両陛下の御臨場にあたって、東京-和歌山間で運行されたお召列車に関わる、天王寺鉄道管理局発行の通達です。管内各駅の通過時刻、警備方法、通常ダイヤの変更への対応など、その準備のようすの一端を、うかがえます。