【未だ発見されていない浄妙寺の重文仏像】
浄妙寺本堂(重要文化財・鎌倉時代)にはかつて、鎌倉時代に慶派仏師によって造像された薬師三尊像(重要文化財)とともに、この同様に重要文化財に指定される十二神将立像と、四天王立像(鎌倉時代・江戸時代、未指定)が安置されていました。
かつての安置状況を伝える古写真
ところが平成6年(1994)11月18日、この十二神将像のうちの六体が、四天王立像4体とともに盗まれ、現在も発見されていません。
盗まれた十二神将立像のうち6体(上)と四天王立像4体(下)
十二神将立像は、小像ながら力感にあふれた優れた造形で、12体がすべてそろっていることも貴重でした。四天王立像は、未指定だったこともあり、像高など詳細は全く不明です。ただ、写真でみるかぎり、4体のうちの2体は鎌倉時代の作、2体は江戸時代の作であるようです。
盗難前より博物館で寄託を受けていて無事だった、十二神将立像のうち6体を展示し、盗まれた仏像の発見につながる情報の収集に努めたいと思います。
浄妙寺十二神将立像のうち卯像(今回の展示資料)
・企画展「「文化財」の基礎知識―緊急アピール・文化財の盗難多発中!」(11月13日?平成23年1月10日)
→和歌山県立博物館ウェブサイト