20日(日)、海南市立北野上小学校の馬場一博校長先生から、「防災教育と地域資料の活用~「高濤記(こうとうき)を読む~」というテーマでご講演いただきました。22人の参加がありました。
講演では、①災害への対応と防災教育、②海南市で起こった災害、③「高濤記」の内容と授業例、④地域資料の活用の順でお話いただきました。
①では、とくに戦後の和歌山県の災害対策や学校教育のなかでの防災教育について大まかな流れを、②では、昭和21年の南海地震、昭和28年の七・一八水害、昨年9月の台風12号に伴う水害について、海南市域や北野上小学校校区内の被害の様子などと関連させながら授業を行っている様子、③では、今回展示している、海南市域における安政大地震の被害状況を詳細に伝える「高濤記」が、教材として非常に価値の高いものであることをご説明いただいたうえで、小学校での授業例を具体的に紹介していただきました。④では、「高濤記」以外の安政大地震に関連する史料も紹介していただき、こうした地域資料を活用して防災教育を進めることの重要性をお話いただきました。
今回のお話は、博物館と学校教育との連携を考えるうえでも、非常に興味のあるものでした。最後に、質問にお答えいただき、講演会は終了しました。
講師の馬場先生、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
展覧会もあと2週間を残すばかりになりました。この機会に、ぜひ、博物館までお越しください。
次回のミュージアム・トークは、26日(土)13時30分から行います。
(主任学芸員 前田正明)
→和歌山県立博物館ウェブサイト