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おじいちゃんの本は、ぼくの未来を変える。

和歌山県立博物館友の会マイミュージアムギャラリー
第26回展示 「おじいちゃんの本は、ぼくの未来を変える。」
【出 陳 者】 脇田 剛毅
【展示期間】 平成23年8月7日(日)~10月28日(金)
【出陳資料】 『三国志』(吉川英治著、講談社、昭和41年<1966>)
三国志20110806
【資料をめぐる思い出】
「中学1年のとき、祖父から「いいものをやる。」と、一本の電話がかかってきました。それは吉川英治の『三国志』でした。少し前に、子ども向けの三国志の小説を読んでいたのを聞きつけたのでしょう。
 セリフが多く、たくさんの英雄が躍動するこの本の世界に、歴史好きの祖父同様、のめり込みました。すっかり三国志のファンになった私は、漫画やゲームにもはまったのでした。
 今、私は大学で歴史を勉強し、社会科の教師を目指しています。歴史のおもしろさや魅力を伝えてくれたこの本は、生涯手放せない、私の原点となるものです。」
【学芸員(実習生)の一口メモ】
 『三国志(さんごくし)』は今から約1800年前の中国にあった、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国の人物を列伝式に記した歴史書です。後に、大きく脚色を加えられた『三国志演義』が成立し、蜀の劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)の三人を軸にして、三国の激しい攻防をダイナミックに描いています。
 日本では江戸時代前期に翻訳されて、世間に広まりました。
 吉川英治の『三国志』は、中外商業新報(現在の日本経済新聞)で1939年から1943年にかけて連載されました。吉川英治は歴史作家として有名であり、『鳴門秘帖』、『宮本武蔵』といった作品もあります。
 吉川によるアレンジが加えられたこの小説の後、三国志をテーマにした作品には、横山光輝による漫画など、その影響を強く受けたものが多く存在しています。
※今回の展示は、学芸員資格を取得するために当館で受け入れた博物館実習生、刀祢槙子さん、宗慎一朗さん、脇田剛毅さんが担当して作成しました。
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