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辰年にちなんで 竜の絵と竜のハンコ

新年明けましておめでとうございます。
本年も、和歌山県立博物館を、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、新しい年を迎えましたが、昨年より開催中の「ハンコって何?」展は、もう少し開催中(1月22日(日)まで)です。
今日は、新年1回目の博物館ニュースということで、今年の干支(えと)である辰年にちなんで、「ハンコって何?」展で公開中の竜の絵竜のハンコについてご紹介しましょう。
竜図 徳川治宝筆 2幅対 左幅 長保寺蔵(小) 竜図 徳川治宝筆 2幅対 右幅 長保寺蔵(小)
竜図 徳川治宝筆 長保寺蔵
これは、紀伊藩10代藩主の徳川治宝(とくがわはるとみ、1771-1852)が描いた竜の絵です。治宝は、文化に高い関心を示した藩主で、別邸の庭などで御庭焼(おにわやき)という陶磁器を作らせたほか、みずから書や絵も描きました。この竜の絵は、左右の2幅で対になっています。左右の掛軸の両端に、それぞれ「楽只(らくし)」(陽文陰竜装飾郭方印(ようぶんいんりゅうそうしょくかくほういん))のハンコが押されています。
竜図 徳川治宝筆 2幅対 左幅 落款印「楽只」(陽文陰竜郭方印) 長保寺蔵(小) 竜図 徳川治宝筆 2幅対 右幅 落款印「楽只」(陽文陰竜郭方印) 長保寺蔵(小)
このハンコは、「楽しいこと」を意味する治宝の使用印で、周囲に竜の文様をあしらったものです。
他の治宝の作品にもしばしば押されていますが、竜の絵に竜の装飾のあるハンコを押しているのがおもしろいですね。
このように、絵とハンコをセットで見てみると、意外な発見があったりします。
ちなみに、ハンコの周囲のかざりについては、また、「ハンコの基礎知識」のコーナーでご紹介しようと思っています。(学芸員 安永拓世)
企画展 ハンコって何?
和歌山県立博物館ウェブサイト

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