和歌山県立博物館友の会マイミュージアムギャラリー
第35回展示 「あの赤いカンカンに入れとき!」
【出 陳 者】 宮本 佳歩
【展示期間】 平成25年8月11日(日)~平成25年9月29日(日)
【出陳資料】 スチール製キャラクターバッグ 現代(20世紀)
【資料をめぐる思い出】
「この缶は、物心が付いた時から私のそばにあったものです。両親から「なくしたらあかんから、あの赤いカンカンに入れとき」とよく言われ、シールやお菓子のおまけ、ガチャガチャの中身、旅先で集めたもの、卒業式のコサージュなど、その時々の宝物を入れ続けてきました。
今では中身はすっかり変わってしまいましたが、赤いカンカンを開けるたび、缶の中が宝物で満たされていった、あの頃のワクワクとした気持ちがよみがえってきます。
これからもこの赤いカンカンに、宝物と思い出を詰めこんでいきたいと思います。」
【学芸員(実習生)の一口メモ】
「赤いカンカン」は出品者にとって宝箱のようなものだったのでしょう。
下の写真は、熊野三山の一つである熊野速玉大社に伝わる、神様に奉納された手箱です。中には、化粧道具が納められています。
昔から人々は大切な宝物を、複数の箱や華麗な宝箱に入れて保存してきました。宝箱は、中身の保護だけでなく、その美しさから内容物の貴重さや格の高さを示すためなど、様々な役割を果たしているのです。
このように箱の中に大切なものを入れて守るという方法は、昔からずっと続いているのです。
※今回の展示は、平成25年度に和歌山県立博物館が受け入れた博物館実習生が作成しました。