平成29(2017)年度職場体験① 貴志中学校
今年も、職場体験(インターンシップ)の季節がやってきました!
第1回目は和歌山市立貴志中学校です。
生徒さん2人が、6月6日(火)~8日(木)も3日間、職場体験に来てくれました。
【初日 6/6】
まずは、毎年恒例、朝礼での挨拶・自己紹介をしてもらい、
そのあと、博物館の施設見学を行いました。
博物館の裏側まで全てを見学して、
たくさんの人が働いていることを知ってもらいました。
収蔵庫では、火縄銃や刀を実際に持ち、重さや手触りを体感しました。
職場体験以外では、めったにない機会です。
その後はさっそく、博物館収蔵資料の調査を手伝ってもらいました。
午前の終わりに、写真に写し込むためのナンバーカードを作り、
午後は、実際に写真撮影をしました。
シャッターを切る役と、冊子をめくり、カードを差し替える役に分かれての作業です。
【2日目 6/7】
2日目からは、毎朝監視職員が行っている、
展示室のガラス拭きを手伝ってもらいました。
角度を変えて見ることでガラス表面の指紋を見つけるなど、
コツも教えてもらったようです。
その後は、昨日に引き続き、収蔵資料の調査を行いました。
大きな絵を広げて採寸をしたり、
昔の人が書いた字を読んで調書に記入したり。
上から紙が貼られて読みにくかった年号も、
角度を変えたり、光を当てたり、工夫して読んでくれました。
午後は、まず、夏休み期間に例年学校などに配布している、
ワークシートの発送準備をしてもらいました。
今回は、送り先を書いた短冊を切り分ける作業です。
手際よくこなしてくれました。
それから、受付や監視など、来館者対応です。
この日は展示替期間のため企画展示室が閉まっていて、
さらに雨ということもあり、
来館される方が少なかったのですが…。
なんとか、チケットを切ったり、商品を手渡したりと、
お客様と接する仕事を経験できました。
みなさま、ご協力いただき、まことにありがとうございました。
【3日目 6/8】
最終日は、朝礼で、3日間の体験を終えるに当たっての挨拶をしました。
午前は、ガラス拭きの後、
収蔵庫で、綿布団や梱包用の紐の整理と、掃除機かけです。
役割分担をして、テキパキと進めてくれました。
2人のおかげで、新しく資料をお預かりするためのスペースを
確保することができました。
その後、資材倉庫へ行き、10日(土)からの企画展で展示する、
写真パネルを作ってもらいました。
印刷した写真を、空気が入らないように糊つきパネルに貼り付けて、
端をカッターでまっすぐに切っていきます。
出来具合を展示の担当者に見てもらい、OKが出ました。
床にパネルを並べて、実際に貼るところをイメージします。
午後は、写真パネルの下に付けるキャプションと、タイトルパネルを切ります。
さあ、いよいよ実際にパネルを展示します。
両面テープと養生をテープを組み合わせて、
壁に痕が残らないように、貼り付けます。
メジャーで床からの距離を測り、なるべくパネルが曲がらないようにしています。
自分たちで手順を考え、
協力して、かなり手際よく進めることができました。
(最後の一枚)
パネルとキャプションを合せると全部で25枚。
この量を、最後までやりきってくれました。
2人に感想を聞いてみました(抜粋)。
「一番よかったことが、日本刀や火縄銃をもてたことです。(中略)
一番きつかったのが、展示作業や2日目の寄託資料調査・写真撮影作業です。
展示作業でメジャーで長さをはかったりするのが
難しかったけど楽しかったです。(中略)
収蔵庫などは、めったに見れないのでとてもよかったです。」
「特に楽しかったのは、収蔵庫の整理です。(中略)
3日目の午後の展示作業は、見ばえが良くなるように、
きちんと長さを全て均等にするのが大変でした。
職場体験を通して、博物館などに行った時、
普通に眺めていたポスター1つ1つが、
こんなに時間をかけて、ていねいに貼っていたと思うと、
仕事の大変さがよく分かりました。」
2人とも、3日間の体験から、たくさんのことを学んだようです。
また博物館に行ってみたい、とも言ってくれていました。
一生懸命仕事をしてくれたので、とっても疲れたと思います。
社会に出ても活躍されるだろうなあと思うお二人でした。
3日間ありがとうございました。
また、いつでも、博物館に遊びに来てくださいね。
(学芸員 袴田舞)