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コラム 江戸時代のくらしと活躍した人々(4)

【第4回】紀州漁業絵巻 (きしゅうぎょぎょうえまき)
紀州漁業絵巻(地引網)
                            3巻
                        紙本著色
                   明治時代(19世紀)
                 和歌山県立図書館蔵
明治政府は、全国の水産業の実態を把握するために、漁法の調査を行い、それを内国勧業博覧会(ないこくかんぎょうはくらんかい)や水産博覧会(すいさんはくらんかい)などの場で公開しました。この絵巻は、明治23年(1890)に開催された第3回内国勧業博覧会へ出品するために描かれたとみられ、紀伊半島沿岸の漁法を紹介したものです。当時の和歌山では、明治時代に入ってからも、古くからの漁法が引き続き行われていたため、それらを記録したと記されており、江戸時代の漁法を知る貴重な資料となります。地引網(じびきあみ)の様子や、網取法(あみとりほう)による捕鯨(ほげい)の様子が、使用する網とともに詳細に描かれています。写真に挙げているのは、地引網の場面です。(学芸員 安永拓世)

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