県立博物館では、所蔵資料をより多くの方々に知っていただくために、2階にスポット展示のコーナーを設けています。
19世紀の紀州では、多くの窯が開かれ、様々なやきものが作られました。その中には、中国・清(しん)のやきものを意識した装飾を、色絵でほどこした作品があります。色絵とは、赤・青・黄・桃色などの絵具でやきものを彩る華やかな装飾のことです。紀州には、全国でも早い段階で、清のやきものを意識した色絵の技術が伝えられました。このことは、江戸時代の紀州の文化力の高さをうかがわせるとともに、日本国内でのやきもの技術の伝わり方を考える上で重要な点として、近年注目されています。
この度のスポット展示では、清のやきものを意識した、紀州ゆかりの色絵のやきものをご紹介します。江戸時代の人々の中国文化へのあこがれや、最先端を走っていた紀州のやきもの文化に思いを馳せていただく機会となれば幸いです。
【会期】 令和6年(2024)7月13日(土)~8月10日(土)
【展示資料】 南紀男山焼 偕楽園画製 色絵桜花図銘々皿 2枚
南紀男山焼 金彩虫籠香合 1合
三楽園焼 更紗手兜鉢 1口
計3件4点(いずれも当館蔵)
【会場】 和歌山県立博物館 2階文化財情報コーナー
【開館時間】午前9時30分~午後5時
【入館料】 スポット展示は無料(開催中の常設展・企画展は別途入館の手続きが必要)
【休館日】 毎週月曜日、ただし7月15日(月・祝)は開館し、翌16日(火)は休館
【担 当】 当館学芸員 原田直輝
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