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おじいちゃんのムカデ

和歌山県立博物館友の会マイミュージアムギャラリー
第31回展示 「おじいちゃんのムカデ」
【出 陳 者】 岡吉 君子
【展示期間】 平成24年8月11日(土)~10月26日(金)
【出陳資料】 木製玩具(現代)
おじいちゃんのムカデ
【資料をめぐる思い出】
「このおもちゃは、1歳頃、祖父に買ってもらったものです。その名も、ムカデです。祖父によく懐いていたせいもあり、とてもこのおもちゃを気に入って遊んでいました。引っぱって遊んでいるうちに散歩が好きになり、毎日のように散歩をしていたことを覚えています。
 祖父は優しくて格好良く、肩車をしてくれたり、バイクで公園に連れて行ってくれたり、元調理師の腕をふるって運動会の時にはお重にいっぱいのごちそうを作ってくれました。
 五歳の時に亡くなった祖父のことを、私はもう、ほとんど覚えていません。それでもこのおもちゃがあるから、祖父の姿は私の心の中に残っています。今でも私はこのおもちゃを、「おじいちゃんのムカデ」と呼んでいます。」
【学芸員(実習生)の一口メモ】
 カラームカデという名のこの木製玩具は、フィンランドのユシラ社製。紐を引っぱって歩くと、計10個の「足」が回転するという仕組みです。
 こうした動く木製玩具は、昔も今も世界中で作られ、日本では、カタカタと音を出して進むきじ車(九州)や、木こりがのこぎりで木を切る木挽き人形(富山県)、牛車(京都府)などの郷土玩具が各地に見られます。 
 海に囲まれた和歌山県では、極彩色の船体に車輪をつけた大漁船(那智勝浦町)や、鯨に車輪をつけた鯨車(太地町)などがあります。
 地域の生業や文化を玩具として表した郷土玩具。遊びの中にも地域の深い歴史が息づいているといえそうです。
大漁線20120810
大漁船(那智勝浦町)

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