昨年の11月から、しばらく、職場体験やインターンシップの受け入れはありませんでしたが、1月26日から28日までの3日間、和歌山工業高校の1年生2名が、インターンシップの一環として、博物館のしごとをお手伝いしてくれました。
職場体験学習の受け入れも、今年度は、これで8校目。
昨年度は、新型インフルエンザの影響などで、中止になったケースもあったのですが、今年度は、予定通り、日程調整の出来た学校については、全て受け入れることができました。
申し訳ないことに、今年度、当館で職場体験の受け入れを担当していた学芸員が、風邪のため、今回のインターンシップの1日目と2日目は参加できなかったのですが、ともかくも、生徒さんは全員無事にご参加いただけましたので、何よりでした。
さて、今回も、1日目の午前はいつものとおり博物館の裏側までじっくり見学。
1日目の午後は、寄贈された図書や報告書などを書庫の2階に配架して、その配架場所をパソコンで入力する作業を手伝ってもらいました。
続いて、2日目の午前は、常設展示室や企画展示室、さらには、現在博物館のロビーで開催中のロビー展の展示図面を、展示設計図の上にきちんと書き起こしていく作業をお手伝いしてもらいました。
展示の前には、もちろん、こうした展示図面の設計案を、担当する学芸員が何度も書き直すのですが、実際の展示では、その設計図通りに展示されていくとは限りません。時と場合に応じて、設計案を少しずつ書き換えながら、実際の展示作業はおこなわれていきます。つまり、実際の展示状況が、設計案と微妙に異なるケースも出てくるのです。そのため、展示が完成した段階で、あらためて最終的な展示図面を書き起こし、写真とともに残していくことも、展覧会の重要な記録となります。
今回は、そのお手伝いです。
実際に展示台との間の距離を測ったり、学芸員に状況を確認したりした結果を、紙の図面の上に書き起こしていきました。
さて、2日目の午後は、搬入してきた古い本や古文書の整理と撮影です。
博物館に入ってきた資料は、まず、おおまかな整理をおこない、その後、くんじょうして害虫を駆除したり、写真撮影をして、資料を記録保存していきます。
二人とも、とても丁寧に、資料を整理して、写真撮影を手伝ってくれました。
最終日の3日目。
まず、午前中は全国各地から届くポスターやチラシの整理です。
いつもの通り、都道府県ごとに並べて、さらに展覧会の会期順に並べます。
高校生なので、さすがにスムーズに整理できました。
その後は、収蔵庫の中で収蔵資料の整理。
今回は、屏風(びょうぶ)の調査をお手伝いしてもらいました。
一口に屏風といっても、さまざまな種類がありますが、今回は、貼交屏風(はりまぜびょうぶ)というちょっと面倒な形式の屏風で、二人とも苦労していました。
屏風の外側の大きさだけではなく、屏風の中に貼られているたくさんの絵や書のそれぞれの大きさも計測しないといけないので、大変です…。
根気よく、一つずつ大きさを測ってくれました。とても助かりました。ありがとうございます。
こうした地道な仕事が終わると、3日目の午後は、いよいよ受付などに出て、来館者への対応をする仕事です。
受付での仕事を教えてもらったり
ミュージアムショップでは、商品に値札を貼ったり、それを箱に戻したりもしました。
ショップで注文のあったコーヒーを運んだり、お買いあげいただいた商品を手渡したりもしました。
展示室や来館者に万が一のことがないように監視する監視員の仕事も、体験しました。
さまざまな仕事をお手伝いくださり、ほんとうにありがとうございました。
二人に感想をきいてみると、
「三日間のインターンシップで、普段では見ることのない物を見れてとてもいい経験になりました。博物館の人にはとても親切にしていただいてとても楽しかったです。すごく良い三日間でした。」
「博物館は意外と少ない人数で動いていた。50人くらいいるのかと思ったけど案外すくなかった。三日間を通して仕事は楽な事ばかりではない。しんどい事もあって仕事だと思う。けど博物館の方達は生き生きして仕事をしていたので僕は「自分の好きな事を仕事にできていいな」と思いました。僕もそんな仕事につきたいです。あと受付の人達は美人でした。」
とのことです。
仕事の面白さも、大変さも、体験できたようですね。
皆さんも自分に合った仕事をみつけて頑張ってください。
今年度の職場体験やインターンシップの受け入れは、一応これで終了の予定ですが、来年度以降も、博物館では、こうした受け入れを続けていく予定です。ご来館のみなさまも、ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。(学芸員 安永拓世)