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コラム 紀州の画家紹介 30 鈴木景福(すずきけいふく)

企画展「江戸時代の紀州の画家たち」の関連コラム
「紀州の画家紹介」
30回目にご紹介するのは、鈴木景福(すずきけいふく)です。
鈴木景福(すずき・けいふく)
◆生 年:未詳
◆没 年:未詳
◆享 年:未詳
◆家 系:紀伊藩士
◆出身地:紀伊
◆活躍地:紀伊
◆師 匠:野際白雪(のぎわはくせつ、1773~1849)
◆門 人:未詳
◆流 派:文人画・諸派
◆画 題:花鳥
◆別 名:治右衛門など
◆経 歴:紀伊藩士、画家。未詳な点も多いが、鈴木治右衛門(すずきじうえもん)と名乗る紀伊藩士で、「御留守居番」を勤め、13石をもらっていた時期があったようだ。風流文雅を好み、紀伊藩のお抱え絵師を務めた野際白雪に絵を学び、花鳥画を得意としたことが知られている。現存作は1点しか確認できず、今ではほとんど知られていない画家だが、紀伊藩士ゆえか、その記録がわずかに残る点で興味深い。おとなしいながら堅実な画風で、白雪の画風をよく伝える。
◆代表作:「花鳥図衝立(かちょうずついたて)」(個人蔵)
今回展示しているのは、「花鳥図衝立」(個人蔵)です。
鈴木景福筆 「花鳥図衝立」 (個人蔵) 軽
(以下、いずれも画像をクリックすると拡大します)
鈴木景福筆 「花鳥図衝立」 款記 (個人蔵) 軽 鈴木景福筆 「花鳥図衝立」 印章 (個人蔵) 軽
款記は「景福」で、印章は「牧雲」(朱文方印)です。
描かれているのは、月、ホトトギス、卯の花とみられます。
景福については、恥ずかしながら、私自身も全く知らない画家だったのですが、近年、この「花鳥図衝立」が確認され、その画家について調べている内に、初めて景福という画家を知ったような次第です。
このように、博物館にとっても、まだまだ知らない画家が紀州にはたくさんいます。今後も、そうした画家を少しずつ調べて、紀州の奥深さを、ご紹介していきたいと思っています。(学芸員 安永拓世)
江戸時代の紀州の画家たち
和歌山県立博物館ウェブサイト

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