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ミュージアムトーク6回目(箱と包みを開いてみれば)

本日、7月15日は、企画展「箱と包みを開いてみれば―文化財の収納法―」の
6回目のミュージアムトーク(展示解説)がおこなわれました。
今回が、この企画展でのミュージアムトークの最終回だったこともあり、いつもよりもトークへの参加者は多く、10名ほどでした。
トークの風景はこんな感じです。
20120715トーク1 20120715トーク2
20120715トーク3 20120715トーク4
20120715トーク5 20120715トーク6
(画像をクリックすると拡大します)
ご参加いただいたみなさま、お忙しい中、お付き合いくださり、ありがとうございました。
トーク終了後は、
「いくつもの箱が付属している場合、
桐箱などに混じって漆(うるし)の箱が用いられていることがありますが、
それには、何か、保存上の意味や理由があるのでしょうか?」

というご質問をいただきました。
これについては、正直、私自身もよくわかりませんが、一つの目的としては、中に入っている物が大切であることを、わかりやすく示すためではないかと考えられます。
つまり、漆塗(うるしぬり)の箱にしたり、あるいは華麗な蒔絵(まきえ)の装飾がある漆塗の箱に入れることで、普通の箱と区別し、中に大切な物が入っていることを、一目瞭然で示すということです。
ただ、文化財の保存上は、桐の箱の方が気密性も高く、温度や湿度の変化に強いので、漆塗の箱に入れることに、それほど大きな保存上のメリットがあったのかどうかは、よくわかっていません。
とはいえ、漆を何度も塗り重ねた蒔絵の箱などは、比較的虫などに食べられていない場合もありますので、漆を塗ることで、虫損などを防ぐという意味があった可能性も考えられます。
くわしいことはよくわかりませんが、今後の課題であるともいえるでしょう…。
その後、もう一つ
「茶道具の仕覆(しふく)などの紐(ひも)の結び方を知るにはどうしたらいいのですか?」
というご質問もいただきました。
これについては、比較的わかりやすい参考書がありますので、ご紹介しておきましょう。
◇淡交社編集局編『茶の結び緒』(淡交社、1996年)
という本です。
多くの写真をつかって、わかりやすく茶道具の紐の結び方を紹介しているので、参考になると思います。
私自身も、これを見て、勉強させてもらいました。
博物館のミュージアムショップでも取り寄せて販売しておりますが、残部はわずかのようです。
さて、今回の企画展「箱と包みを開いてみれば」のミュージアムトークは、これで全て終了しました。
ありがとうございます。
あとは、
明日7月16日(月・祝)バックヤードツアー
を残すのみとなりました。
このバックヤードツアーについては、
先着15名で、事前申込が必要だったのですが、
すでに、定員を満たしており、受付は終了させていただきました。
申し訳ございません。
明日は、展覧会もいよいよ最終日ですが、
バックヤードツアーも頑張って説明したいと思います。(学芸員 安永拓世)
企画展 箱と包みを開いてみれば―文化財の収納法―
和歌山県立博物館ウェブサイト

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