和歌山大学教育学部附属特別支援学校普通科2年生と和歌山ろう学校普通科2年生の2人が、
7月27日(水)から29日(金)までの3日間、職場体験学習に来てくれました。
初日は1人だったので、まず博物館の仕事を簡単に説明し、
そのあと、早速夏休みの企画展で出陳している絵巻の複製をもう1セット作る作業に取りかかってもらいました。
まずは徳川斉順帰国行列図の制作です。
2日目は私が体調を崩したためスタートが遅くなりましたが、
2人で徳川斉順帰国行列図と天保年代物売集の制作を行ってもらいました。
2人とも最後までやり遂げ、完成してくれました。
本当にご苦労様でした。
2人が作ってくれた絵巻は、これまでの2巻とあわせて、
29日からエントランスホールに展示しています。
ご来館の際には、彼女たちの力作を手にとってご覧下さい。
3日目は、まず展示室のガラス拭きをしてもらいました。
企画展示室では小学生や中学生が熱心にみてくれているので、
いつもより少し低い位置がよごれているようです。
次に館内の施設、とくに収蔵庫やその周辺をみてもらいました。
収蔵庫では、温度と湿度を一定にしながら、大切な文化財を保管していることを知ってもらいました。
収蔵庫で保管している館蔵品のなかから、江戸時代に作られた絵巻をみてもらいました。
2人が作った複製の絵巻と比べると、
絵巻を開いたり、巻き戻したりする感覚は少し違ったようです。
守衛室や中央監視室も見学し、それぞれの担当の人から説明を受けました。
その後、和歌山城天守閣に登り、江戸時代の城下町絵図を片手に、現在のお城周辺の様子と比べてもらいました。
午後は、受付やミュージアム・ショップでの来館者の対応のほか、
展示室での監視業務を行ってもらいました。
この仕事が終わるころ、2人の担任の先生が来てくれたので、
彼女たちが先生に絵巻の取り扱い方を教えてあげてくれました。
今回の職場体験学習について、2人に感想を聞いてみました。
3日間実習をしていろいろな経験をしました。
巻物を作ってみて、むずかしかった所は27mを巻いたことです。
本物の巻物を見てすごいと思いました。
火縄じゅうをもってみて重たかったです。
2種類の火縄じゅうを比べてかるい物がありました。
本物の刀があってすごすぎると思いました。
2日間、職業体験(監視・ショップ・受付など)をしました。
職業体験をした中で、巻物を作った事が一番楽しかったです。
夏休みの企画展では、この2人の力作をエントランスホールに展示しています。
ぜひ、手にとってご覧ください。
(主任学芸員 前田正明)