平成25年11月12日から15日までの4日間、和歌山県立向陽中学校、和歌山県立桐蔭中学校の生徒2名ずつを、職場体験で受け入れました(最初の2日は和歌山市立高積中学校の生徒2名も受け入れ)。
初日は朝礼の後、全員そろって博物館についてのレクチャー、特別展やロビー展、マイミュージアムギャラリーの見学、収蔵庫、空調機械室などバックヤードの見学を行いました。午後からは、向陽中は博物館に全国から送られてくる図書のデータを入力する作業、桐蔭中は受付、ミュージアムショップ、展示室監視業務。まだまだ緊張した様子です。
2日目は、午前中に寄託されている東南アジアの神像の調査と撮影に全員で取り組みました。丁寧な作業で、安心して見ていられました。午後は向陽中はミュージアムショップで販売する缶バッジやマグネット作り、桐蔭中は図書のデータ入力。
3日目は、午前中にやはり寄託を受けている拓本資料の整理を全員で。その前には、瓦などを使って実際に拓本を取ってもらいました。午後は、向陽中は受付、ミュージアムショップ、展示室監視業務、桐蔭中は缶バッジ・マグネット作り。
最終日の4日目は、午前中、向陽中は再度図書データ入力、桐蔭中は寄贈予定の書画の調査と整理作業。お昼からは、和歌山県立和歌山工業高校に移動して、文化財のさわれるレプリカ作りを体験してもらいました。
なんだか職場体験というよりも、博物館実習(とはいえ、大学生でもここまでの作業はなかなかやってない)の様相を呈した4日間でした。
受け入れた生徒さんから、次のような感想をいただきましたので、ご紹介します。
【向陽中学校】
「4日間、本当にありがとうございました。いろいろなことを学んだり、体験できたりして、とても勉強になりました。特に印象に残っているのは、収蔵庫にあった日本刀と火縄銃です。教科書に載っていたけど、実際にはとても重く、日本刀は輝いていて、火縄銃は長かったです。1つづつほしいと思いました。
また、和工(県立和歌山工業高校)と共同で作業しているということに驚きました。今まで博物館と高校が共同で作業することは、聞いたことがなかったからです。和工では最新技術を使って、大学にも劣らないすごい技術で作業していました。向陽より和工のほうが楽しそうだと少し思いました。
「仕事は、自分のためよりも、誰かのためにするものだ!!」。大河内さんの名言に、とても感動しました。普段学校では味わえない貴重な体験を4日間もさせてくれて、本当にありがとうございました。きっと来年も(現2年生の)向陽生が来ると思うので、その時は、またよろしくお願いします。
※予定では一般客として、友達といつか遊びに来るつもりです。」
「今回、11/12~11/15までの4日間、和歌山県立博物館で職場体験をさせてもらい、働くことのきびしさと楽しさを知ることができました。
最初、職場体験があると知り、この県立博物館へ行くと分かったとき、多少の不安はありましたが、しかし、この4日間、資料調査、資料整理、受付業務等を通して、それらの不安はなくなりました。働くこととはいったいどういったものなのか、働く意味とは何か、そういったことをこの職場体験で知ることができました。この体験で得た様々なことを、僕のこれからの未来に生かしていきたいです。
この職場体験で僕が思った「働く」ということは「他人のために自分は何ができるか」を知ることだと思いました。人びとは皆、何か自分に出来ることがあって、それをこの社会のためにどう役立てていくか、自分が社会の中でどういう立ち位置にいるのか考える。それが働くことだと、そう思いました。
職場体験をさせて頂き、ありがとうございました。」
【桐蔭中学校】
「職場体験ではたくさんのことを経験しました。仕事での発見も多かったけれど、改めて博物館というところをたくさん知りました。
1日目はとても緊張していました。博物館の見学やレクチャーで自分がイメージしていた博物館がもっと親しみやすいところになりました。来館者対応でお客さんを目の前にして恥ずかしくなって頭を下げることしかできなかったことがとても悔しいです。2日目、3日目とあっという間に過ぎていきました。資料を目の前にして、二度とこういう体験はできないから大切に時間を過ごそうと強く思いました。拓本作業や缶バッジ作製、幅広くしました。そして最終日にはレプリカの作製現場に行きました。それまで私は実物があればいいと思っていました。しかし、レプリカだからこその役割を知りました。
この4日間、初めて見たもの、経験したものがたくさんあって、自分にとって良い経験になったと思います。」
「この4日間で、県立博物館の裏側を見る、来館者の対応をする、実際の資料を扱う、など普通では体験できないことをたくさんさせていただきました。
学校の授業と違い、職場体験では今自分が扱っているものが、お客様の前に出すものであるということに対して、責任感や難しさをかんじました。でも難しい分、人のために何か仕事をするというのは、とてもやりがいがある、とも思いました。
この職場体験で働くということについて学んだり感じたりしたことを、これから自分の進路を考えていく中で活かしたいです。4日間、本当にありがとうございました。」
みんな、また遊びに来て下さいね!(主査学芸員 大河内智之)