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和歌祭御船歌の公演がおこなわれました

本日、5月4日(水・祝)は、「華麗なる紀州の装い」展のロビー・イベントとして、
唐舩御船歌連中(とうぶねおふなうたれんちゅう)の皆さまによる和歌祭御船歌(わかまつりおふなうた)の公演がおこなわれました。
幸い、本日は、清々しい晴天に恵まれたこともあり、急きょ、博物館前の屋外の広場で開催することとなりました。ご公演くださった唐舩御船歌連中の皆さまも、公演を聞いてくださった皆さまも、汗ばむような陽気の中、ありがとうございました。
公演の様子はこんな感じです。
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和歌祭の練り物の中には、船屋台に巴模様の幕をめぐらせた唐舩(とうぶね)という山車(だし)が登場します。唐舩の山車が練り歩く際に、周囲で歌われるのが、御船歌(おふなうた)です。
御船歌には、「長唄(ながうた)」「端唄(はうた)」「せり唄(せりうた)」「やれ節(やれぶし)」などの歌があり、紀伊藩の船を管理した人たちが口伝で受け継いできたとされます。
「やれ節」には、「一にゃ権現 二にゃ玉津島 三にゃ不老橋の 塩竃よ」というように、和歌浦自慢が込められた歌詞もあり、太鼓やほら貝を演奏しながら、約20人前後の行列だったようです。
しかし、1970年代後半からは、この御船歌を歌う頭数が減り、90年に、和歌祭が和歌山城周辺から和歌浦に戻ったときには、すでに歌われなくなっていたようです。
ところが、昨年、和歌山県の文化遺産課で勤務する蘇理剛志氏が、和歌祭の芸を映像に残すという事業を進めていくなかで、御船歌を記憶している方と出会い、そうした方々から御船歌や太鼓の節を聞いて記録し、さらにそれを和歌山大学の学生さんなどと定期的に練習を重ねることにより、30年近く途絶えていた御船歌が復活したのです。
今年の和歌祭の本番は、5月15日(日)です。
今年も、昨年に引き続き、本番の和歌祭で御船歌が披露されるようです。
ぜひ、皆さまも、和歌祭の本場で、御船歌を体験してみてください。(学芸員 安永拓世)
特別展 華麗なる紀州の装い
和歌山県立博物館ウェブサイト

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