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新編那智参詣曼荼羅絵解きの制作会議(?)

台本検討会議1
 特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」の開催に合わせて、ただ今、和歌山大学海津一郎教授との協力で、和歌山大学の地域コミュニケータ論受講生とともに那智参詣曼荼羅の新しい絵解きを制作中です。
 5月24日に熊野に関する基本事項をレクチャーし、色々と宿題を課して、6月27日に台本作りのための会議を行いました。那智参詣曼荼羅絵解きといえば、大先達である山本殖生さん(元新宮市教育委員会学芸員)による台本が定着しているのですが、あえてそれを離れて、大学生のフレッシュな問題意識を那智参詣曼荼羅を媒介に語ることに主眼をおいています。
 受講生に課した宿題は、那智参詣曼荼羅からいかなる問題を語ることができるか、というもの。全員の意見を確認したところ、次の4つに問題意識は集約されました。
?「観光」
?「水と生命」
?「信仰」
?「自然との共生」
 写真は、それぞれの問題意識ごとに班になってもらい、台本のプロットを作っているところです。このあと、代表者に那智参詣曼荼羅のレプリカを前に報告してもらいました。班によっては、すでにちょっとした寸劇まで作ってくれたところもありました。それぞれのプロットの良い部分、修正をしたほうがよい部分、付け加えるといい部分などを助言し、次回までに班ごとに台本を作成してもらうことにして終了。きっと今頃、みんな自主ゼミで集まって頭をひねっていることでしょう。
 次回は、和歌山大学紀州経済史文化史研究所を主体として催行する那智山バスツアーにみんな便乗してもらい、現地を体験してもらいます。最終的に語りの芸としてどこまで完成度を高められるか、時間はありませんが、各人の伸びしろとノリに期待です。
 なお、この新編那智参詣曼荼羅絵解きは、9月8日(火)に行われる、特別展「熊野三山の至宝」のオープニングイベント「熊野三山参詣曼荼羅の絵解き」でご披露致します。同イベントでは、山本殖生さんにも絵解き実演を行って頂く予定です。みなさん、ぜひご参加下さい!
 この新参詣曼荼羅絵解き作成プロジェクトの様子は、今後も本ブログで紹介します。(学芸員 大河内 智之)
世界遺産登録5周年記念特別展 熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―
熊野三山の至宝展あれこれ
和歌山県立博物館ウェブサイト

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