先にお伝えしました、和歌山大学学生との協力による「新編那智参詣曼荼羅絵解き」制作。
→2009年7月2日記事
7月18日、実際に関わってくれている学生さんといっしょに、那智山の現地を訪れました。早朝、バスで和歌山を発ち、本宮旧社地大斎原、熊野本宮館に立ち寄って、いよいよ那智参詣曼荼羅に描かれる重要なポイントを巡拝していきます。
補陀洛山寺・浜の宮では、補陀落渡海船と渡海上人墓所を訪ね、昼食後、暑いさなかですが、熊野古道・大門坂を登り切りました。
熊野那智大社では朝日宮司のお話を聞き、宝物殿を拝観、那智山青岸渡寺では高木住職・副住職のお世話になりました。ちょうど、吉野・大峰の奥駆けを行ってきた修験者の一行が参拝中というサプライズがあり、那智山の現地で修験道の雰囲気をみんなに感じてもらえたのはラッキーでした。三重塔に登り、滝道を下って那智大滝へ。写真では絶対にわからない、那智滝の大きさを実感し、学生の皆さんの口から素直に「・・・すっげー」、との感嘆がもれていました。すごいでしょ。この滝を神であり仏であると考えた古代・中世の人々の思いに、すこし近づけたのではないでしょうか。
班別に台本作りを進めてもらい、車中で発表してもらいましたが、大学生の底力を見せてもらいました。本番に向けてやるべき調整はまだありますが、希望が湧いてきます。
この新編那智参詣曼荼羅絵解きは、世界遺産登録5周年特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」のオープニングイベントとして、会期初日の9月8日(火)13:30から行います。どうぞみなさま、お楽しみに!(学芸員 大河内智之)
→世界遺産登録5周年記念特別展 熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―
→熊野三山の至宝展あれこれ
→和歌山県立博物館ウェブサイト