10月23日~24日、白浜町教育委員会の学芸員の方、近大姫路大学と神戸大学の先生と共同で、白浜町域の地震・津波にかかわる記念碑、洪水にかかわる記念碑の所在確認調査と古文書の調査を行いました。地震・津波碑一覧と洪水記念碑一覧に追加しました。
今回は、調査の途中に地元の方から情報を得て、洪水記念碑1基を確認することができました。写真は記念碑調査の様子です。明治22年8月の大水害にかかわるもので、白浜町中の共同墓地の近くにありました。
右側面には、建立された経緯が記されています。富田石といわれる砂岩製石で、一部風化している部分もありましたが、参加者全員で解読を試みました。一部誤読があるかもしれませんが、速報でお知らせします。
(調査風景) (右側面)
<正面>
洪水溺死各霊墓
<左側面>
維時明治廿三年八月建之觀福寺現住無参誌
<右側面>
明治廿二歳己丑春夏之交風雨不時氣候失順越従八月十七日大雨至十九日夜
益々甚吾若冨田川則大漲激流茫茫夜且四更雷霆頻震山岳壊崩隄防盡決於是
各村家屋流亡者七百四十九戸倒潰者五百五十九戸溺死者五百四十二人壓死
者二十三人而田野一朝變為斥鹵不毛實古今未曾有也而後於當海岸有尸屍之
漂着者凡数十人皆収葬之今當一周之辰村内之有志者相謀建立一石塔弔慰横
死之霊魂且記其事以戒後世希後人保維此塔永其莫附荒廢
こうした記念碑で一覧表に漏れている記念碑をご存じの方がおられましたら、博物館までご一報ください。
(主任学芸員 前田正明)
災害記念碑一覧