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熊野三山歴史体験ツアー

 9月17日(木)、18日(金)と、世界遺産登録5周年記念特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」と連携した事業として、和歌山県立博物館友の会の研修旅行「熊野三山歴史体験ツアー」を行いました。従来からの会員様だけでなく、今回のために会員になっていただいた県外の方々もご参加頂き、熊野三山を巡拝する1泊2日の充実の旅となりました。
 初日は、早朝に和歌山を発ち、田辺市中辺路町の滝尻王子に立ち寄り、熊野本宮大社に参拝。社殿(重文)の内拝、宝物殿の拝観を行い、熊野川の中洲にある旧社地大斎原を見学しました。
バスツアー大斎原 本宮旧社地・大斎原
 道の駅くまのほんぐうで昼食後、熊野川に沿ってバスを走らせ、新宮市へ。熊野速玉大社で正式参拝を行い、上野宮司のお話を聞いて、熊野神宝館で国宝・古神宝などを拝観。バスで移動し、熊野速玉大社摂社・阿須賀神社を訪れ、境内の新宮市歴史民俗資料館で阿須賀神社境内出土の懸仏群を見学。再びバスにのり、やはり熊野速玉大社摂社・神倉神社のある、神倉山へ。恐ろしく急な鎌倉作りの石段を登り、山上のゴトビキ岩へ。古代からの祭祀場所であろうことを、実感頂きました。
バスツアーゴトビキ岩 新宮・神倉山のゴトビキ岩
 那智勝浦町のサンかつうらを宿所とし、夕食の宴会時には、持参した那智参詣曼荼羅(複製)を使って即席絵解きを行い、翌日の予習です。
 18日は8時30分に宿を発ち、すぐそばの補陀洛山寺へ。秘仏本尊千手観音立像(重要文化財)を特別に御開帳頂き、その重要性を解説。那智山への表参道、大門坂を一部見学し、熊野那智大社へ。祭礼中のため、まず宝物殿へ入り、文化財のご説明。篠原権宮司にもお話し頂き、正式参拝ののち社殿(重要文化財)の内拝。
バスツアー那智大社 熊野那智大社の社殿
 続いて那智山青岸渡寺に移動し、本堂(重要文化財)の説明を行い、滝宝殿(宝物殿)の拝観。那智経塚出土の曼荼羅壇の復元展示など鑑賞。青岸渡寺の宿坊、尊勝院の広間を借りて、昼食。滝へと降る、風情ある滝道を歩いて降り、那智大滝へ。少し水量が少なく、また風があったため、滝の水が右へ右へと流される、めずらしい光景も見られました。
 すべての行程を終え、一路和歌山へ。行きとは異なり、急遽紀伊半島をぐるりとめぐる大辺路コースをとることにしましたので、山中を走る往路とは違い、太平洋の大海原と雄大な海岸線をお楽しみ頂きました。串本町の橋杭岩にもたちより、6時前には博物館へ到着。夜間開館中でしたので、お時間に余裕のある参加者のみなさまには、展示解説をさせていただきました。
 強行軍ではありましたが、熊野三山を知る上での重要なポイントを巡り、熊野の歴史とその魅力をご堪能いただけたのではないかと思います。
 今回の特別展の展示コンセプトでは、県立博物館だけで完結するのではなく、世界遺産・熊野の魅力を体験頂くために現地でも会場(熊野本宮大社宝物殿・熊野速玉大社熊野神宝館・熊野那智大社宝物殿)を設定しています。ぜひぜひ、熊野へ足をお運び下さい(博物館にもお越し下さいm(_ _)m)。(学芸員 大河内智之)
世界遺産登録5周年記念特別展 熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―
熊野三山の至宝展あれこれ
和歌山県立博物館ウェブサイト 

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