本日、特別展「華麗なる紀州の装い―かみ・ひと・ほとけをつなぐ」がオープンしました。
和歌山県内の神社や寺院に伝わってきた装束や着物などの染織品を一堂に公開する展覧会です。
染織品は、年月や光による劣化を最も受けやすい文化財であるため、古い時代のものが残されていることは、非常にめずらしいといえるでしょう。
そのため、今回展示している資料も、大半が、国宝や重要文化財や和歌山県指定文化財に指定されています。
展示作品には、大幅な展示替えがありますが、国宝22点、重要文化財7点、和歌山県指定文化財48点、を含む計89点を展示します。
現在の展示会場は、こんな感じです。(画像をクリックすると拡大します)
ちなみに、開催日前日には、受付や監視の職員にも、展覧会の内容を知っておいてもらうために、事前のレクチャーをおこないました。
ともあれ、展示室に、染織品だけを、これほど並べたのは初めてのことでしたが、タイトル通り、まさに「華麗」な展示風景となりました。
展示にあたっては、例の通り、一般向けのキャプションとともに、子ども向けのキャプションを用意しておりますが、今回は、とくに、染織品の部分拡大写真も置いてみました(左側の写真の真ん中にある小さい写真2つが、染織品の部分拡大写真です)。
また、展示室には、染織品の技法や織り方などを拡大写真などで解説したパネルもあります(右側の写真)。
また、子ども向けのキャプションには、より一層わかりやすいようにと、染織品の文様などの図も入れてみました。
こうした、さまざまなキャプションや解説を通して、すばらしい技術がほどこされた美しい染織品の世界を、少しでも楽しんで見てもらえればと思っています。
いずれにせよ、紀州を代表する染織品が、これほど一堂に集うチャンスは、またとありません。
会期は、4月23日(土)~6月5日(日)です
ぜひ、この機会を、お見逃しなく。(学芸員 安永拓世)
→特別展 華麗なる紀州の装い
→和歌山県立博物館ウェブサイト