和歌山県立博物館マイミュージアムギャラリー
第39回展示 「金色の神像との50年」
【出 陳 者】 有田 雅一
【展示期間】 平成27年4月25日(土)~8月7日(日)
【出陳資料】 男神像 中国・清時代(17~20世紀)、あるいは近代
【資料をめぐる思い出】
「小学校の五年生か六年生のころ、家の納屋にあった道具箱を開けてみると、がらくたといっしょにこの像が入っているのを見つけました。仏さんかなあ、神さんかなあ、なんやろなあと気になって、錆びて可哀相だったのでプラモデル用の金色のラッカーを塗って綺麗にしたのでした。今思うとしまったなあと思いますけれど。
それから50年。特に拝むわけではないのですが手元に置き続け、人生を共に歩んできました。しかしいったい誰のものだったのか、今も分かりません。骨董を趣味にしてた祖父のものだったのかもしれません。」
【学芸員の一口メモ】
銅製鋳造の人物像で、像高は16.2㎝を計ります。頭部に随分荒れた痕跡があり、一度火中したと見られます。頭に幞頭をつけ、袖の長い衣をまとい、両手は腹前で組んで手先を隠し、何かを持っているようです。こうした中国式の服装で、厳しい表情をした類似資料が、神の姿を描いた絵画の中にあって、神像であることは間違いありません。台座の形状などは中国の作例にみられるもので、道教の神像として中国で造られた可能性が高いように思われます。(主査学芸員 大河内智之)
(熊野垂迹神曼荼羅<部分> 熊野那智大社蔵)