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緊急アピール・文化財の盗難多発中!注目資料(2)

【千光寺本堂に散乱していた盗まれた仏像の部品】
千光寺本尊 千光寺部品
千光寺本尊千手観音立像(左)と盗難現場に散乱していたその部品(右、今回の展示資料
 平成22年9月9日、橋本市史の編纂事業で、橋本市高野口町上中(かみなか)の集落にある千光(せんこう)寺(じ)の予備調査を行ったところ、本尊の千手観音立像が盗まれていることが判明しました。像高104.5?の仏像で、台座と光背も盗まれていました。
千光寺本堂 千光寺堂内
千光寺本堂(左)と堂内のようす(右)。厨子の中に仏像があった。
 入口は施錠されていましたが、鍵が壊され、正面の扉を開け放してそこから持ち出し、逃走したようです。仏像を盗んだ際、手の部分や持ち物、衣の部品などを壊したようで、発見時、堂内に散乱していたものが、この展示資料です。
 守られてきた場所から暴力的に引きはがし、乱暴に取り扱って破損させてしまうという、文化財盗難のゆるせない実態をうかがうことができます。
 千光寺は、集落の中の高台にあり、すぐ近くまで大きな道路が通じ、そこから人目に触れずに車で近寄ることのできる導入路がありました。犯罪者は、事前に下見をして、盗りやすい場所を探しています。地域の人たちが協力しながら、盗難に遭いやすい場所では、見回りや、投光器や警報機の設置などで防犯に努める必要があります。
・企画展「「文化財」の基礎知識―緊急アピール・文化財の盗難多発中!」(11月13日?平成23年1月10日)
→和歌山県立博物館ウェブサイト 

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