和歌山市立西和中学校の2年生2人が、7月6日(水)から7日(木)までの2日間、職場体験学習に来てくれました。
初日はまず博物館の仕事を簡単に説明し、そのあと、館内の施設をみてもらいました。
収蔵庫では、温度と湿度を一定にしながら、大切な文化財を保管していることを知ってもらいました。また、5日夜に起こった地震の影響がないか、収蔵庫内の保管状況を一緒に確認しました。
その後、守衛室や中央監視室も見学し、それぞれの担当の人から説明を受けました。
午後は、まず7月23日(土)から始まる夏休み子ども向け企画展「和歌山城と城下町に住む人々」の準備作業として、県内の小中学校に配布するワークシートの発送作業を手伝ってもらいました。
その後、展示する城下町絵図の複製の制作に取りかかってもらいました。完成した城下町絵図(複製)は、展示室の壁に貼る予定です。
実物と見比べるとかなり色が違っていますが(2人には責任はありません、念のため)、綺麗に貼り合わせてくれました。
2日目は、まず展示室のガラス拭きをしてもらいました。熱心に展示をみてくれる人のなかには、近づきすぎてガラスに頭をぶつけてしまうこともあるようです。ご注意ください。
それから、昨日発送の準備をしたワークシートのうち、和歌山市内の小中学校へ配布する分を、市役所11階の教育委員会まで運んで行き、各学校の棚に入れてもらいました。
8日には学校に届くそうです。和歌山市外の学校分については、今日メール便で発送しましたので、みなさん楽しみに待っていてください。
博物館に帰ってきたあと、夏休みの企画展で出陳する巻物(徳川斉順帰国行列図と天保年代物売集)の複製の制作に取りかかってもらいました。
数十枚にも及ぶB4判の紙を延々とつないで行く作業でしたが、2人は最後までやり遂げてくれました。
本当にご苦労様でした。複製は実物とほぼ同じ大きさです。
2人が作ってくれた巻物(複製)は、企画展開催中、エントランスホールで展示する予定です。ご来館の際には、ぜひ彼らの力作を、手にとってご覧下さい。
今回の職場体験について、2人に感想を聞いてみました。
僕は2日間職場体験学習をして一番心に残った事は、「天保年代物売集」という巻き物を作った事です。色々前田さんが教えてくれて、長い巻き物をつくりました。その巻き物を広い所で広げてみると、僕が予想していた長さよりもはるかに長くておどろきました。この職場体験学習で学んだ事をいかして、これからもがんばっていきたいです!!
2日間職場体験学習に来て、1日目は大丈夫かなと不安だったけど、担当の前田さんが色々教えてくれてたし、館内を見学して、温度や湿度にまで気配りしていて、博物館でここまでして、大切なものを保管しているんだなと思いました。こうして昔の物が守られていくんだなと思いました。
夏休みの企画展にも来てくれるのを楽しみにしています。
(主任学芸員 前田正明)