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鯖で鯛を釣る―初めての鯛、初めての魚拓―」

和歌山県立博物館友の会マイミュージアムギャラリー
第10回展示 「鯖で鯛を釣る―初めての鯛、初めての魚拓―」
【出陳者】 北野 全美
【展示期間】 平成21年2月21日(土)?平成21年4月17日(金)
マイミュージアム10-1 画像クリックで拡大します。
マイミュージアム10-2
【資料をめぐる思い出】
「当時、休みのたびに釣りに行っており、その日も釣り仲間の星田さんの船に乗って、五月晴れの加太・田倉沖でガシラ(カサゴ)釣りを始めました。餌の鯖を付けて釣り糸を垂らすと、突然強いアタリ。一体何事かと驚きながらリールを巻くと、なんと鯛。「海老で鯛を釣る」ならぬ「鯖で鯛を釣る」です。
 初めて釣った鯛に興奮し、せっかく釣れたのだからと、妻や子供といっしょに、これも初めての魚拓をとったのでした。どうやってやるか分からず何回も失敗しながら、ようやくうまくできた一枚に、書道の上手な同じ職場の南方さんに頼んで名前などを書いてもらいました。みんなの合作の一枚です。」
【学芸員の一口メモ】
 魚拓には、魚に直接墨を塗って和紙を押し当てる直接法と、魚に紙をあてその上からタンポで墨をつける間接法があります。魚拓という言葉は新しく、江戸時代には摺形と呼んでいました。
 魚拓がいつから始められたのかは不明ですが、日本で確認されている最古の魚拓が、山形県の鶴岡市郷土資料館に所蔵されています。これには「天保十年亥二月晦日/於錦糸堀御獲鮒之図」と書いてあり、天保10年(1839)に、後の庄内藩主・酒井忠発が江戸・錦糸堀で吊り上げた鮒を、側用人の林正中が摺形としたもののようです。江戸時代、庄内藩では武士のたしなみとして釣りが奨励されており、現在も庄内竿という伝統的な釣り竿作りが行われています。
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