昨日(29日)、茨城史料ネット事務局・茨城大学人文学部教授の高橋修先生から、
「東日本大震災 文化財・歴史資料の救出・保全活動の現場から」というテーマでご講演いただきました。
30人あまりの参加がありました。
講演会はこんな感じです。
講演の内容は、
①3.11の東日本大震災当日に経験したこと。
②レスキュー活動の母体となった茨城大学中世史研究会が行った初期対応(その中心は情報収集と現地踏査)。
③3か後ぐらいになると、旧家の家屋や土蔵の被災状況が明らかになってきて、その対応が急増する。それに対応させる形で、県内の茨城史料ネットの設立がされたこと。
④茨城史料ネットの活動を具体的に紹介。
⑤活動の現状と課題として、(1)一時保管している救出資料の整理と返却、(2)整理のなかで明らかになった情報を地元にどのようにして還元していくか、(3)他県の史料ネットとの連携をどう進めていくか、などが指摘されました
⑥最後に、茨城での活動を通じて、(1)研究者・市民との連携、(2)文化財の網羅的把握、(3)救出した資料の保管場所の確保、こうした点が和歌山でレスキュー活動が必要になった場合を考えて、事前に考えて置くべきであるとの提言をいただきました。
最後に、3人の方からの質問にお答えいただき、講演会は終了しました。
講師の高橋先生、参加者の方々、本当にありがとうございました。
ところで、展示室はこんな感じです。期間中、ぜひご来館ください。
5月4日(金・祝)には、下記の博物館講座を行います。
5月4日(金・祝)13時30分~15時 近代美術館2階ホール(博物館となり)
「先人たちが残してくれた災害の記憶」
前田正明(当館主任学芸員)
事前の申し込みの必要はありません。ご興味のある方、ぜひお越しください。
また、講演会終了後に、ミュージアム・トークも行います。
(主任学芸員 前田正明)
→和歌山県立博物館ウェブサイト