『お身代わり仏像製作記録集2022』を発刊しました
県立博物館では、県立和歌山工業高等学校、和歌山大学教育学部等の教育機関の協力を得て、3Dプリンタを用いた文化財の複製を作り、文化財の防犯や防災の対策への活用を図っています。
高齢化や人口減少などの要因により、管理や保全が困難になっている地域の寺社にある文化財を博物館で保管し、かつ、信仰されてきた環境を維持するための取り組みで、平成24年度から令和4年度までに、県内20か所の寺社に36体の「お身代わり仏像/神像」を安置してきました。平成22年に発生した連続60件という大規模な文化財盗難被害に端を発するこの「お身代わり仏像」事業は、様々な方の知恵と力に支えられ、継続してきました。
文化財盗難対策への活用は、それ以前から、県立博物館が県立和歌山工業高等学校や県立和歌山盲学校と連携し模索してきた文化財複製の製作と活用への取り組みの延長線上でもあり、その試行錯誤の過程には、他の博物館における複製活用の多様な可能性のヒントが隠れているかもしれません。
もちろん、信仰対象である仏像を写して作ること、複製を安置することに対する疑問の声も聞かれます。けれども、人々の信仰が積み重なった大切な仏像や神像は、地域の歴史そのもの。我々人間よりもずっとずっと長く生きる「歴史の証人」としての文化財と、その歴史をつないできた地域の記憶を、ともに継承していくための連携事業となっていれば幸いです。
複製を製作するのは、和歌山県内の高校生や大学生。この貴重な機会に、一人でも多くの未来世代に当事者として関わって欲しいと考え、令和四年度の製作では、複製の着色を県内高等学校の美術部に依頼する試みを始めました。
この度、生徒たちの真剣なまなざしと発見をまとめた「お身代わり仏像製作記録集」を発刊します。
この記録集は令和4年度文化庁「博物館機能強化推進事業(Innovate MUSEUM事業)」で作製しました。
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『お身代わり仏像製作記録集2022』 (ダウンロード / PDFファイル / 4.15MB)
