「面掛行列」というと、全国的には神奈川県鎌倉市の御霊神社で行われる祭礼が著名です。今年も9月18日に行われます(→参考)。伎楽面にも似た大型の仮面をかぶって練り歩き、妊婦役のおかめが付くのが特徴で、10人の行列で構成されます。
実は、和歌山市和歌浦の紀州東照宮で毎年春に行われる和歌祭でも面掛行列があります。こちらは元和8年(1622)から続くもので、記録上分かる行列の人数は最大79人で、実際にはそれ以上の行列となる大変大きな規模のものです。現在も毎年春、5月第二日曜頃に行われます(→参考)。初期の面掛行列では妊婦役が付いていたことが分かり、鎌倉の面掛行列との共通点もうかがえます。使われる仮面は神事面・能面・狂言面・神楽面・鼻高面などで、古いものは鎌倉時代までさかのぼるものが含まれます。
先日まで和歌山県立博物館では、この面掛行列で使用する仮面、全142点を展示する企画展「奇跡の仮面、大集合!―紀州東照宮・和歌祭の面掛行列―」を開催していました(会期平成20年7月19日?8月31日)。
そこで展示した全ての仮面や関連資料を掲載した図録を作製しております。内容はこんな感じです。画像をクリックすると拡大します。
表紙 仮面の図版 面裏の図版 江戸時代の行列の風体
鎌倉の面掛行列にご興味のある方、ぜひ和歌山の面掛行列の全貌について知ることのできるこの本を、お手元でお楽しみになりませんか?
定価1200円です。郵送でのご購入は、図録名・送付先住所・氏名をご明記いただき、現金書留にて代金1200円と送料290円を同封の上、県立博物館友の会(〒640-8137 和歌山市吹上1-4-14)あてにお送り下さい。
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→和歌山県立博物館ウェブサイト