5月22日(火)~24日(木)の3日間、
和歌山市立貴志中学校の生徒2名が職場体験に来てくれました。
初日の午前中は、博物館がどんなところかを知ってもらうために、
まず博物館の説明と、館内の探検をしました。
2人とも県立博物館自体に来たことがなかったようですが、
一気に収蔵庫などウラカタの部分まで見てもらいました。
意外に大きくて、新しい建物だという印象だそうです。
(博物館の温度や湿度などをどのように守っているかの説明を受けているところ)
午後からは、博物館に送られてくる図録の整理をしてもらいました。
(まずは、パソコンでデータの入力)
2人ともパソコンはあまり使ったことがなく、技術の授業で使っただけだとのこと。
パソコンの入力はもちろんのこと、
図録の題名の漢字の読み、都道府県・市町村がどこにあるのかなど、
いろいろと苦戦していました。
ここで1日目の仕事は終了。
2日目の午前中は、1日目に入力した図録を書庫に配架していく作業をしてもらいました。
(1人の生徒は、この作業が楽しかったといってくれました)
その後、古文書などを収納する文書箱を作ってもらいました。
(1人の生徒は、今回の仕事の中でこの作業が一番しんどかったそうです)
午後からは、今年度新たに寄贈をうけた資料の調査をしてもらいました。
第二次世界大戦中の軍事郵便や千人針、出征旗などについて、
大きさを測り、スケッチを取り、気づいた点をメモしてもらいました。
千人針は赤い玉の数を数えたら1003個あったこと、
出征旗には48人の名前が記されていたことがわかりました。
また、和歌山の郷土玩具である熊野船の調書もとってもらいました。
裏に文字が書いてあることを発見し、読んでもらいました。「熊野浦大漁船」と書いてありました。
生徒2人に、資料を好きに置いて、好きな角度から写真を撮ってください、
とお願いして撮ってもらったのが、次の2枚の写真です。いかがでしょうか?
(出征旗<日の丸寄せ書き>) (熊野玩具船)
ここで2日目の仕事は終了です。
ここまでは主に学芸員の仕事を体験していただきました。
3日目は、おもに受付など表で来館者のかたの対応をする仕事を体験してもらいました。
(各地の博物館から送られてくるポスターを整理して配架しているところ)
(来館者にチケットを渡しています) (イスに座り館内を見守ってくれています)
最後に、博物館での職場体験の感想を2人に聞いてみました。
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初めは緊張して、くたくたになりましたが、2日目はなれてきました。資料の整理も楽しかったです。
3日目は、受付などがあり、緊張が増してしまいました。しかし、自分なりにまずいと思ったことがなく、
仕事が終わりました。僕が一番楽しかったのは、資料の片付けです。
自分は片付け的なことが好きで楽しくできました。苦しかったことは特にありません。
みなさん三日間ありがとうございました。
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最初はきんちょうして、テキパキ動けなかったし、初めてで博物館の仕事にもなれなかったけど、
博物館のことを知って行くとだんだんきんちょうにもなれてきて、
テキパキ動けるようになって来て、職員の人達とも会話が出来て来て、
どの仕事もたいへんだったけど、少したのしかったです。
県立博物館には来たことがないけど、博物館の事を知って行くにつれて、
又見学に来たいな、と思いました。私の家からは遠いから無理だけど、
もし近くだったら、又近い日にでも見学に来たいです!!
職場体験の場所が博物館でよかったな!!と思います。
なぜなら、もし来てなかったら一生来ることもなかったかもしれないので、
やっぱり来て良かったと思います!!
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2人とも3日間お疲れ様でした。
初めてすることばかりのうえ、また大勢の大人のなかで3日間を過ごすというのは、
相当に緊張したことと思います。
博物館の仕事のことを知ってもらうのも良いことですが、
こんな緊張も良い社会勉強の一つとして、経験できたのではないでしょうか。
貴志中からは遠くないので、是非また遊びに来て下さいね。
(学芸員 坂本亮太)