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ワークショップ「作ってみよう、石のハンコ」が開催されました(桑山玉洲のアトリエ)

本日、5月6日(月・祝)は、現在開催中の特別展「桑山玉洲のアトリエ」の関連イベントとして、
ワークショップ「作ってみよう、石のハンコ」が開催されました。
現在、展示室には、約200年前に、江戸時代の画家である桑山玉洲(くわやまぎょくしゅう、1746~99)が使った、石のハンコが展示されています。
ハンコ展示
これと同じような石のハンコを自分でも作ってみようというのが、今回のワークショップです。
ワークショップの時間は、13:30~15:30までの2時間ほど。
篆刻トライアルセットとして売られているものを使って、1㎝から1.2㎝四方の石を彫って、ハンコを作ってみようというものです。
まずは、ハンコを実際に作る前に、書画で使われる石のハンコ、いわゆる篆刻(てんこく)というものがどのようなものなのかを少し説明し、そのあと、実際に担当する学芸員がハンコを彫る手順をご紹介しました。
ハンコ作りワークショップ1 ハンコ作りワークショップ2
手順としては、
①まず、彫ろうとするハンコの面を、紙ヤスリなどで磨いて、まっすぐな平坦な面にします。ギザギザがあると、ハンコを捺したときに残ってしまうので、慎重にまっすぐな面をつくりましょう。
②次は、自分がどんなハンコを彫るのか、そのデザインを決める作業です。
文字の部分を彫る「白文(はくぶん)」のハンコを作るのか、あるいは、文字の部分を残してその他の部分を彫る「朱文(しゅぶん)」のハンコを作るのか、さらに、どんな文字あるいは絵柄を、どんなデザインで彫るのかを決めて、その下書きを作ります。
③そのうえで、その下書きを裏返して反転させ、カーボン紙を使って、さきほど磨いた石の彫る面に、下書きを転写させていきます。
下書きがずれたりしないように、ここも慎重にしないと、あとで修正できません。
④転写さえできれば、あとは彫るだけです。
彫り方にも、色々な方法がありますが、基本的には、篆刻刀(てんこくとう)を鉛筆を持つような要領で持ちやすい形で持って、地道に石を削っていきましょう。石には、硬いところと柔らかいところがあるので、彫りにくい部分が必ずでてきますが、それも、篆刻をする楽しみの一つですから、石と対話しながらできるといいですね。
手順としては、以上なのですが、当館としても、こうしたワークショップは初めての試みだっただけに、皆さんがケガもなく、うまくできるのか、少し心配もありました…。
しかし、実際に始めて見ると…。
まずは、デザインを決めて、ハンコに転写。
ハンコ作りワークショップ3 ハンコ作りワークショップ4
続いて、ハンコを彫る作業。
ハンコ作りワークショップ5 ハンコ作りワークショップ6
ハンコ作りワークショップ7 ハンコ作りワークショップ8
さらに、少し彫り上がったハンコを試し捺ししてみて、どんな出来上がりになっているかをちょっとチェック。
ハンコ作りワークショップ9 ハンコ作りワークショップ10
ハンコ作りワークショップ11 ハンコ作りワークショップ12
出来上がりを見て、少しずつ微調整をしていきましょう。
微調整は、うまくできたかな?
ハンコ作りワークショップ13 ハンコ作りワークショップ14
ハンコの出来上がりはどうでしょう。思い通りのハンコができたでしょうか?
ハンコ作りワークショップ15 ハンコ作りワークショップ16
今回の参加者は、9歳から67歳まで、年齢層もさまざまでしたが、皆さま、真剣にハンコ作りを楽しんでくださったようで、とても充実したワークショップになりました。
最初は、「石のハンコを彫るのは、むつかしそう」と思っておられた方が多かったようですが、意外にも簡単に彫れて、とても驚いておられましたし、皆さん、とても上手なハンコを彫っておられました。
中には、時間内に2つのハンコを彫る方もおられて、正直、こちらもびっくりしました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
また、だれもケガなどをすることなく、無事にワークショップを終えることができたのも、とてもよかったです。
今回は、ハンコを作る楽しみをご紹介しましたが、実は、ハンコにはくりかえし捺(お)す楽しみもあります。
いろいろなものに、ハンコを捺して、さらにハンコの魅力を知っていただけると幸いです。
また、現在展示中の、玉洲のハンコに思いを馳せてみるのも、楽しいですね。
なお、同じ「作ってみよう、石のハンコ」のワークショップは、
5月26日(日)にも、開催されます。
参加には、事前申し込みが必要です。
ワークショップの詳細は以下のとおりです。
関連企画
ワークショップ「作ってみよう、石のハンコ」
日時:5月26日(日) 13:30~15:30
会場:博物館2階学習室
参加対象:小学3年生以上 先着20名(要申込)
参加費:300円(材料費・保険料を含む)
申込先:和歌山県立博物館(TEL.073-436-8670)
この26日のワークショップも、定員まで、あと3名のゆとりしかございません。
ご興味がある方は、ぜひ、早めにお申し込みください。(学芸員 安永拓世)
特別展 桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―
和歌山県立博物館ウェブサイト

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