特別展「紀伊徳川家の威風」

2025年10月11日(土)~11月24日(月・振休)

特別展「紀伊徳川家の威風」

 紀伊徳川家は江戸時代の和歌山城主です。徳川御三家の一つとして江戸幕府を支え、8代将軍徳川吉宗(よしむね)、14代将軍徳川家茂(いえもち)を輩出しました。元和5年(1619)徳川頼宣(よりのぶ)が紀伊藩の初代藩主になって以来、紀伊国や伊勢国南部を中心に55万5000石の所領を有する大名として政治をつかさどりました。

この特別展では、紀伊徳川家の歴代当主、藩祖頼宣の父親の徳川家康(いえやす)や母親の養珠院(ようじゅいん)、付家老を務めた田辺領主の安藤家の歴史を物語る資料、絶景の宝庫である日本遺産「和歌の浦」に関わる資料などを展示し、現在の和歌山県の礎を築いた紀伊徳川家の歴史と文化を紹介します。

前期(10月11日~11月3日)、後期(11月5日~11月24日)で一部の資料を展示替えします。

 

主な展示資料

重要文化財 太刀 銘 来国俊(らいくにとし) 徳川頼宣所用 一口
重要文化財 南蛮胴具足(なんばんどうぐそく)   徳川家康所用 一領
重要文化財 太刀 銘 左近将監景依(さこんしょうげんかげより) 正応二年十一月日 一口
重要文化財 太刀  銘 光忠(みつただ) 一口
重要文化財 太刀  銘 伯耆大原真守(ほうきおおはらさねもり) 一口

展示資料 : 130件(重要文化財5件、和歌山県指定文化財20件)

 

展示構成   Ⅰ 紀伊徳川家のはじまり
       Ⅱ 偉大なる父母
       Ⅲ 紀伊徳川家のみやび
       Ⅳ 田辺領主の安藤家
       Ⅴ 聖地和歌の浦

 

 

展示のみどころ

Ⅰ 紀伊徳川家のはじまり
   ~なぜ御三家が和歌山に?~
重要文化財  南蛮胴具足 紀州東照宮蔵

重要文化財  南蛮胴具足(なんばんどうぐそく) 紀州東照宮蔵

 紀伊徳川家の初代は、徳川頼宣です。これまでは徳川家康の跡を継いだ江戸幕府2代将軍の秀忠(ひでただ)が、家康に寵愛された弟の頼宣を和歌山の地へ追いやったという説が有力でした。今回の特別展では、当時の幕府の軍事的な戦略を踏まえて、御三家が和歌山に置かれた理由を考えます。

 

 

 

 

Ⅱ 偉大なる父母   
  ~徳川頼宣の父母と紀伊徳川家との絆~
子安鬼子母神立像 本遠寺蔵

子安鬼子母神立像(こやすきしもじんりゅうぞう) 本遠寺蔵

 徳川頼宣の父は徳川家康、母はお万の方(養珠院)です。家康は江戸幕府を開いた武将として有名ですが、母もまた個性的な人物で、当時女人禁制であった七面山(しちめんざん)(山梨県)に初めて登った女性として知られています。この章では、家康を祀る紀州東照宮(きしゅうとうしょうぐう)とお万の方の菩提寺である本遠寺(ほんのんじ)(山梨県南巨摩郡身延町)所蔵の資料から、2人と紀伊徳川家の繋がりを紹介します。

 

 

 

 

 

Ⅲ 紀伊徳川家のみやび
  ~歴代藩主の作品やコレクションの数々~
青磁葵紋火鉢  養翠園蔵

青磁葵紋火鉢(せいじあおいもんひばち)  養翠園蔵

 紀伊徳川家歴代の当主は武士ですが、武芸のみならず、教養人として学問に励み、書画を揮毫し、漢詩や和歌を詠み、茶道や陶芸にも精通していました。この章では、彼らの作品や収集したコレクションなどを展示し、江戸時代の大名の華麗な生活や教養について紹介します。

 

 

 

 

Ⅳ 田辺領主の安藤家
  ~紀伊藩ナンバー2ゆかりの品々~
陣羽織 安藤直次所用 鹿島神社蔵

陣羽織(じんばおり) 安藤直次(あんどうなおつぐ)所用 鹿島神社蔵

 紀伊徳川家と比べるとあまり知られていませんが、田辺城の城主で、紀伊藩で藩主やその一族に次ぐ地位を誇ったのが安藤(あんどう)家です。初代当主の安藤直次(なおつぐ)は、徳川頼宣を傅役(もりやく)(今で言う教育係)として支え、明治時代には藤巌神社(とうがんじんじゃ)(田辺市)に祀られています。

 

 

 

Ⅴ 聖地和歌の浦
  ~今年は南龍(なんりゅう)神社創建150年~
八幡神立像 紀州東照宮蔵

八幡神立像(はちまんしんりゅうぞう) 紀州東照宮蔵

 徳川頼宣が父母を祀った和歌の浦は、風光明媚な名所として知られています。明治維新で紀伊徳川家の支配は終焉しますが、紀伊徳川家を慕う旧藩士たちが奔走して、今から150年前の明治8年(1875)この地に頼宣を祀る南龍神社が創建されました。

展覧会情報

会場 和歌山県立博物館
会期 2025年10月11日(土)~11月24日(月・振休)
開館時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日、10月14日(火)、11月4日(火)
ただし10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・振休)は開館
観覧料 一般910円(750円)、大学生570円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、65歳以上、障害者手帳の交付を受けている方は無料。
*第1日曜日(会期中では、10月12日)、関西文化の日(11月15日・16日)、ふるさと誕生日(11月22日)は無料
主催 和歌山県立博物館

関連事業

◇講演会

●11月3日(月・祝) 13:30~15:00(先着120名、入場無料、申込不要)

 演題:「徳川吉宗と和歌の浦」
 講師:藤本 清二郎 氏(和歌山大学名誉教授)
 場所:和歌山県民文化会館 3階 特設会議室
    (和歌山市小松原通り1-1)

◇講座

いずれも 14:00~15:00(入場無料、申込不要)、当館2階学習室

●10月19日(日) 「江戸幕府と徳川頼宣」   前田正明(当館学芸員)
●11月9日(日)  「田辺領主安藤家の歴史」  佐藤顕(当館学芸員)
●11月23日(日・祝) 「和歌の浦の南龍神社創建」 佐藤顕(当館学芸員)

◇現地見学会(友の会共催)

●11月15日(土)13:00~15:00(要申込

 博物館~吉宗生誕地~報恩寺~寺町通り~岡口門など

先着30名
申し込み:10月22日(水)12時から受付開始、11月10日(月)まで

申し込み用QRコード

◇ミュージアム・トーク(展示解説)

10月13日(月・祝)、10月26日(日)、11月24日(月・休)

※いずれも 14:00~15:00/当館展示室

 

 

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