
2021年10月16日(土)~ 11月23日(火・祝)
前期:10月16日(土)~11月7日(日)
後期:11月9日(火)~11月23日(火・祝)
で展示替えを行います。
きのくに―和歌山県は、紀伊半島の南西側の約半分を占め、日本列島のほぼ中央に位置し、潮岬は本州の最南端にあたります。面積の大部分は急峻な紀伊山地が聳え、その山地の合間を縫うように河川が流れ、太平洋へと注ぎます。和歌山県は、その自然環境から海・山・川と三つの側面があり、それぞれが互いに影響し合いながら、豊かな歴史や文化が育まれてきました。
和歌山県には、現在国宝36件(建築7件、美術工芸品29件)、重要文化財394件もの文化財があり、国宝の数は全国で第6位、重要文化財の数は第7位となっています。また、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の高野山や熊野三山などをはじめとする霊地・霊場が各所にあります。さらに、江戸時代には紀伊徳川家が支配し、和歌山城下町は国内でも有数の都市として発展し、様々な文化活動が花開いていました。
この特別展では、和歌山県が誇る名宝を一堂に会して、紀州の風土で育まれた豊かな歴史と文化に触れていただき、和歌山県の魅力を再発見していただく機会となることを願っております。また和歌山県立博物館創立50周年という節目を迎え、当館のこれまでの足跡もあわせて振り返りたいと思います。
展示構成
Ⅰ きのくにの仏像と神像
Ⅱ きのくに荘園の世界
Ⅲ 国宝・熊野速玉大社の古神宝類
Ⅳ 紀州東照宮の名宝
Ⅴ 芦雪・応挙 紀南寺院の障壁画
展示のみどころ

Ⅰ きのくにの仏像と神像
平安時代前期(9~10世紀)に制作された像高101.2㎝に達する等身を超える神像。肩幅が広く胸板の厚い量感あふれる造形、背筋を伸ばした堂々とした姿勢は、表情と相まって雄偉な印象である。理想的な神の姿の造形化が成し遂げられる時期に制作されたもので、日本を代表する神像彫刻の傑作ともいわれる。
国宝
熊野速玉大神坐像(くまのはやたまのおおかみざぞう)
熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)蔵 [資料番号26]

Ⅱ きのくに荘園の世界
江戸時代後期(19世紀)、現在の橋本市で刀剣や土器とともに発見されたとも伝えられる。背面に人物や騎馬像が彫られた鋳銅製の画像鏡で、中国製の画像鏡を手本に、日本で作られたとされている。「癸(みずのと)未(ひつじ)年」に制作されたことが記されている。「癸未年」については、西暦443年説と503年説とが有力である。〔東京国立博物館寄託〕
国宝
人物画象鏡(じんぶつがぞうきょう)
隅田八幡神社(すだはちまんじんじゃ)蔵 [資料番号54]

Ⅲ 国宝・熊野速玉大社の古神宝類
明徳元年(1390)に奉納された古神宝類の一つで、上着と肌着(はだぎ)の間に着る装束。文様を織り出した地に別の色糸で二重に文様を浮き上がらせる二重織(ふたえおり)という高度な技術が用いられている。熊野速玉大社の第一殿の社殿である結宮(むすびのみや)に祭られる夫須美大神(ふすみのおおかみ)(女性の神様)に奉納されたものと考えられている。
国宝
衵 萌黄小葵文浮線綾丸文二重織
(あこめ もえぎこあおいもんふせんりょうまるもんふたえおり)
熊野速玉大社蔵 [資料番号92]

Ⅳ 紀州東照宮の名宝
兜(かぶと)や胴、肩当(かたあて)はイタリア製、面頰(めんぽお)や脇当(わきあて)、草摺(くさずり)、兜(かぶと)のシコロ(革扁に每)は日本製である。胴の中央に鎬(しのぎ)を立てているのが特徴で、試し撃ちの跡がある。縦に長い兜には、人物や剣、甲冑(かっちゅう)などの模様が施され、腰まで覆う胴にはマンドリンや獅子、唐草文などが線刻されている。1570~80年ごろ北イタリアで制作されたとみられている。
重要文化財
南蛮象具足(なんばんどうぐそく) 徳川家康所用
紀州東照宮蔵 [資料番号120]

芦雪・応挙 紀南寺院の障壁画
12面のうち右4面に滝の傍らで眠る2頭の獅子、中央4面に立ち上がり目を剝(む)き毛を逆立てて怒気をあらわにする獅子(写真)、左4面にその獅子に駆け寄る二頭の獅子を描く。静と動の対比、斜線と垂直線を活かした幾何学(きかがく)的な構図が目を引く。紀南に残る芦雪(ろせつ)の作品は制作年代が明らかな点で重要。本図は天明6~7年(1786~87)の制作。
重要文化財
唐獅子図(からじしず) 長沢芦雪筆
成就寺蔵 [資料番号148]
展覧会情報
会期 | 2021年10月16日(土)~ 11月23日(火・祝) 前期:10月16日(土)~11月7日(日) 後期:11月9日(火)~11月23日(火・祝) で展示替えを行います。 |
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開館時間 | 9時30分~17時(入館は16時30分まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、11月22日は開館) (※新型コロナウィルスの流行状況により、変更される場合があります) |
観覧料 | 一般1000円(800円)、大学生800円(600円) ※( )内は20人以上の団体料金。 ※高校生以下・65歳以上・障害者手帳の交付を受けている方(同伴者を含む)は無料。 ※和歌山県内に在学中の外国人留学生は無料。 |
主催 | 和歌山県立博物館 |
関連事業
連続講座「名宝からみる、きのくにの歴史と文化」
(各回とも、 ①13:30~14:30 ②14:40~15:40 / 会場:和歌山県立近代美術館2階ホール )
*新型コロナウイルスの感染状況により中止となる場合があります。中止の場合はホームページでお知らせします。
*事前申込制(いずれも先着50人)
10月8日(金) 9時30分から受付開始 / TEL:073(436)8670
10月23日(土) | ①伊東史朗(当館館長) / 内容:展示資料全般について ②竹中康彦(当館主幹) / 内容:Ⅲ 国宝・熊野速玉大社の古神宝類について |
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11月7日(日) | ①大河内智之(当館主任学芸員) / 内容:Ⅰ きのくにの仏像と神像について ②新井美那(当館学芸員) / 内容:Ⅴ 芦雪・応挙 紀南寺院の障壁画について |
11月13日(土) | ①坂本亮太(当館主査学芸員) / 内容:Ⅱ きのくに荘園の世界について ②前田正明(当館学芸課長) / 内容:Ⅳ 紀州東照宮の名宝について |
