2024年 12月7日(土)~2025年 1月19日(水)
聖地・熊野に祀られる厳かな神像と、神々に捧げられたきらびやかな宝物の数々。これらは熊野への篤い信仰を象徴的に物語ります。第Ⅳ期展示では、熊野速玉大社が誇る国宝の神像と古神宝を中心に、熊野信仰のなかで生み出された麗しい宝物の数々を紹介します。あわせて、阿須賀神社の懸仏などにみる熊野川河口部の宗教文化や、今日まで神像と古神宝を守り伝えてきた保存や修理の歴史についても取り上げます。
展示資料:全30件33点(国宝3件24点、重要文化財1件4点、和歌山県指定文化財・重要美術品1件1点、新宮市指定文化財1件1点)
みどころ1 熊野速玉大社の神々のすがた
雄大な自然に囲まれた熊野速玉大社に伝わる、威風堂々とした国宝・熊野速玉大神坐像【写真1】と、優しさを湛える国宝・夫須美大神坐像【写真2】。造像は平安時代前期まで遡ると考えられています。1000年を超える熊野速玉大社への祈りの歴史を象徴する、日本の神像彫刻屈指の名品です。
みどころ2 豪華絢爛、古神宝の数々
熊野速玉大社には、明徳元年(1390)、天皇・上皇・足利義満らが中心となって、熊野速玉大社の神々へあてて奉納した神宝が、今に伝えられています。その総数は約1000点におよび、「古神宝類」として一括で国宝に指定されています。本展では、そのうち19件22点を展示します。
【写真3】は、この度展示する古神宝類の一つ。室町幕府三代将軍足利義満が奉納した、手箱と化粧道具の一式です。内容品の隅々まで華やかに飾られ、神の宝というにふさわしい美しさを誇ります。中世工芸の精華と名高い古神宝の美を、是非ご堪能ください。
みどころ3 名宝を伝えゆく営み
【写真4】は、熊野速玉大社周辺の人々によって、火事や流出などの度重なる危機から大切に守り伝えられ、近年大社へ奉納された檜扇です。
はるか昔につくられた熊野速玉大社の神像や古神宝類は、火災や劣化、流出など、度重なる危機を乗り越えて、現在まで伝えられてきました。
本展では、宝物の流転の歴史や、神像や古神宝類の修理についてもご紹介します。
みどころ4 常設展も衣替え!コーナー展示「熊野速玉大社と古神宝」開催
特別展の期間中、常設展示室「熊野詣」コーナーにて、コーナー展示「熊野速玉大社と古神宝」を開催。特別展とあわせて、熊野速玉大社にまつわる館蔵品とともに、熊野速玉大社の古神宝をさらにご紹介します。
展覧会情報
会場 | 和歌山県立博物館 1階企画展示室・常設展示室 |
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会期 | 2024年 12月7日(土)~2025年 1月19日(水) |
開館時間 | 9:30〜17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、12月29日(日)~1月3日(金)は年末年始のため休館、1月13日(月・祝)は開館し、翌日の14日(火)は休館。) |
観覧料 | 一般:520円(420円)、学生:310円(250円) ※( )内は20人以上の団体料金。 ※高校生以下・65歳以上・障害者手帳の交付を受けている方は無料。 ※和歌山県内に在学中の外国人留学生は無料。 ※毎月第1日曜日は無料日(会期中では12月8日・1月5日) ※特別展「聖地巡礼」は、2回目以降の展示見学の方について、割引があります(団体料金を適用) |
主催 | 和歌山県立博物館 |
関連事業
◇博物館講座
12月14日(土) | 原田直輝(当館学芸員) | 「神宝の歴史と熊野速玉大社の古神宝」 |
1月12日(日) | 島田 和(当館学芸員) | 「神のすがた-熊野速玉大社御神像-」 |
※いずれも午後1時30分~3時 当館2階学習室にて
◇ミュージアムトーク(展示解説)
12月8日(日)、12月22日(日)、1月11日(土)、1月19日(日)
※いずれも午後1時30分~3時、当館企画展示室にて
◇新春!館長トーク(当館館長関根俊一による展示解説)
1月5日(日) 午後1時30分~3時 当館企画展示室にて