
令和6(2024)年2月23日(金・祝)~4月14日(日)
和歌山県立博物館では、令和6年(2024)2月23日(金・祝)から4月14日(日)の会期で、企画展「新収蔵品展2024」を開催します。
当館では、きのくに―和歌山県ゆかりの文化財を後世に伝えていくため、8つの資料収集基本方針を設け、それに関わる資料を積極的に収集しています。平成29年(2017)度以降、当館は124件(令和6年1月31日現在)の文化財―「新収蔵品」を収集しました。
本企画展ではそれら「新収蔵品」の一部を、主要な収集方針に沿って5章に分けてご紹介します。新たな収蔵品を通じて多様な和歌山の歴史や文化をたどっていただくとともに、県立博物館の重要な業務の一つである資料の収集活動について、ご関心を持っていただく機会になれば幸いです。
【展示構成】
Ⅰ 熊野・高野と信仰
Ⅱ きのくにの風景
Ⅲ 紀伊徳川家の歴史
Ⅳ きのくにの絵師たち
Ⅴ きのくにのやきもの
展示資料点数 37件59点
みどころ

◇みどころ1 きのくにの歴史と「新収蔵品」
県立博物館の収集対象となる文化財は、時代・分野ともに様々です。今回の展示では、和歌山の歴史のキーワードを簡単に解説しながら、それぞれの「新収蔵品」がどのようにその歴史と関わるのかをひもときます。
写真1は、那賀郡(ながぐん、現在の紀の川市)出身で、歌人として活躍した西行(1118~90)の物語をえがいた「奈良絵本 西行」。和歌山とゆかり深い西行が、没後どのように語り継がれてきたのかを知る資料のひとつです。常設展では、鎌倉時代に描かれた「西行物語絵巻」(複製、原本は文化庁蔵)も展示中です。
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◇みどころ2 「三大文人画家」と文人ネットワーク
御三家の一角・紀伊徳川家が支配した江戸時代の和歌山は、文化の一大拠点として、多様な文化芸術が花開きました。第Ⅳ章では、江戸時代中~後期の和歌山で展開した多彩な絵画文化の一端をご紹介します。
写真2は、紀州の「三大文人画家」のひとり、野呂介石(のろかいせき、1747~1828)が描いた「山水図(倪瓚詩意(げいさんしい))」。画業の初期にあたる介石が、中国の画家・倪瓚に学びながら試行錯誤を重ねる様子がうかがえます。本作品は、同じく「三大文人画家」のひとりで友人の桑山玉洲(くわやまぎょくしゅう、1746~99)のために描いた作品で、文人画家同士の師弟関係や交流関係にも注目です。

◇みどころ3 百花繚乱、きのくにのやきもの
江戸時代後期の和歌山では、多くの窯がおこり、多様なやきもの(陶磁器)が制作されました。第Ⅴ章では、紀州の「三大窯」とよばれる偕楽園焼(かいらくえんやき)・南紀男山焼(なんきおとこやまやき)・瑞芝焼(ずいしやき)のほか、南紀高松焼や三楽園焼・太田焼など主要な窯の製品を紹介します。
写真3は、和歌山城下の高松(現在の和歌山市宇須(うず))で制作された南紀高松焼の「色絵牡丹図土瓶(どびん)」。グラデーションのような色使いは中国のやきものの再現を目指しています。桃色の釉薬(ゆうやく)は、19世紀の日本では最先端の技術で、和歌山のやきものの技術水準の高さを伝えます。
展覧会情報
会場 | 和歌山県立博物館 企画展示室 |
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会期 | 令和6(2024)年2月23日(金・祝)~4月14日(日) |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般280円(230円)・大学生170円(140円) ※( )内は20名以上の団体料金 ※高校生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方、県内に在学中の外国人留学生は無料 ※毎月第1日曜日は無料日(会期中では3月3日・4月7日) |
主催 | 和歌山県立博物館 |
関連事業
ミュージアムトーク(展示解説)13時30分~14時30分
2月25日(日)、3月9日(土)、24日(日)、4月6日(土)
※入館の手続きをお済ませのうえ、企画展示室にお集まりください(事前申し込み不要)
同時開催
常設展「きのくにの歩み―人々の生活と文化―」
