【第5回】梅椿図 徳川光貞筆(うめつばきず とくがわみつさだひつ)
1幅
紙本著色
江戸時代(17?18世紀)
縦31.4? 横50.7?
和歌山県立博物館蔵
紀伊藩2代藩主の徳川光貞(とくがわみつさだ、1626?1705)は、絵を描くのが得意だったようで、いくつかの絵画作品を残しています。この絵は、光貞の署名などはないものの、絵の裏に書かれた銘文(めいぶん)から、光貞が粉河へ鹿狩(しかがり)に行ったとき、雨が降りだしたため、上丹生谷村(かみにうむら)の山中勘右衛門(やまなかかんえもん)という人物の家で雨宿りし、そこで描いた作品であることがわかるものです。団扇形(だんせんがた)で、画面向かって右側には白梅を配し、中央から左側にかけては紅白の椿を描いています。いずれも簡単な筆致であることから、銘文の通り、短時間で制作されたものでしょう。