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トラウベから聞こえる命の音

和歌山県立博物館友の会マイミュージアムギャラリー
第14回展示 「トラウベから聞こえる命の音―ネパールの空の下で―」
【出陳者】 中島 麻美
【展示期間】 平成21年10月27日(火)?平成21年12月6日(日)
トラウベ ←画像クリックで拡大
【資料をめぐる思い出】
 「マザー・テレサに憧れて看護師となり、興味があった国際保健に参加する夢を叶えるため、平成19年6月、青年海外協力隊の一員としてネパールに着任しました。
 衛生環境の悪さは想像以上でしたが、妊婦の検診を行い、安全のため病院での出産を勧めるなど、母子の命を守るための活動を行いました。女性の立場が低く、当初受け入れられなかった産前検診を、子のためと伝えて理解してもらったことも思い出します。
 トラウベは胎児の心音を聞く道具。分娩キットは母子を感染症から防ぐための最後の砦です。ネパール人と同じ目線でともに仕事をし、住んでみて分かるネパールのよさや豊かさに気づいた、充実の2年間でした。」
【学芸員の一口メモ】
 胎児の心音を聞くために用いられたトラウベは、ドップラーやエコーといった医療器具の発達で、日本の病院では現在はほとんど使用されません。トラウベのかたちは原始的な聴診器と同じで、かつては木を刳り抜いて作ることが多かったようです。 
 分娩キットは、小さな箱の中に、土間に敷くビニールシート、手を洗う石鹸、へその緒を縛るひも、円形の小さいまな板(プラスチック製)、かみそり、キットの使用説明書が入っています。出産する際、母子の感染症を防ぐためにJOICFP(ジョイセフ・家族計画国際協力財団)がネパール国内で配布しています。
 ネパールでは、9割の人が自宅で自然分娩し、妊産婦死亡率は日本の80倍といいます。諸団体による、出産や衛生に対する正しい知識を提供する活動が、母子の命を守ることに直結しているのです。
→これまでのマイミュージアムギャラリーの展示品
→マイミュージアムギャラリーとは
→ポケットブック「マイミュージアムギャラリーができるまで」(上田早紀氏構成・絵)
→和歌山県立博物館ウェブサイト

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