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災害記念碑に関わる講演を行いました。

 今日、9月1日は防災の日です。新宮市教育委員会と熊野学研究委員会とが主催する歴史探訪スクールオープン講座で、「先人たちが残してくれた災害の記憶」と題して、お話しをさせていただきました。
 8月29日に国が東海・東南海・南海地震の被害想定を公表した直後でもあり、昨年の台風12号による紀伊半島大水害から1年ということもあって、100人を超える市民の方々に来ていただきました。
レジュメ1 レジュメ2 (配布したレジュメ、画像をクリックすると拡大します)
 お話しさせていただいたのは、今年の春開催した特別展「災害と文化財」の内容、現在継続して行っている災害記念碑調査の成果などです。新宮市域に関わるものがあまり見つかっていませんでしたので、身近なお話しができませんでした。地震や津波、洪水に関わる古文書や石碑などについて、情報提供をお願いしました。
 最後に、会場の方から、昭和19年の東南海地震は戦時下の災害であったため、情報があまり外に出なかった。新宮市域でも津波が来たという記録もあり、今後の防災を考えるうえでも、新宮の資料も集めてほしいとのご意見をいただきました。また、明治22年の水害に関わって、洪水で流されてきた人が、全龍寺の境内にある稲荷堂の神木(椋の木)に引っかかり、助かったという話もお聞きました。
DSCN3433.jpg (全龍寺山門と椋の木)
 レジュメにも書きましたが、災害記念碑の調査とその成果が、災害の記憶を途絶えさせず、次の世代に引き継いでいく活動につながっていくことを願っています。皆さんから多くの情報をいただき、皆さんにお伝え出来ればと考えています。
(主任学芸員 前田正明)
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