トップページ >博物館ニュース >連続講座「ここまでわかった!きのくにの歩み」 第4回

連続講座「ここまでわかった!きのくにの歩み」 第4回

新館開館20周年記念連続講座
「ここまでわかった! きのくにの歩み」
を開催しました。
本日は、第4回目として、
「地域に眠る『災害の記憶』を発掘する―大規模災害に備えた県博の取り組みー」と題したお話をさせていただきました。
20人の方にお集まりいただきました。ありがとうございました。
D3A_1038.jpg D3A_1066.jpg 
「はじめに」では、
自己紹介を兼ねて特別展を振り返りえるとともに
開館の翌年に阪神・淡路大震災が起こるなど、頻発する地震に対して、
歴史資料の保全活動を行うボランティア団体が全国で結成されるなど
災害と文化財・歴史資料に関心が寄せられるようになった20年であったことを確認しました。
「1紀伊半島大水害への対応」では、
2011年3月17日の東日本大震災、半年後の紀伊半島大水害で
たくさんの尊い命と財産(文化財を含む)が奪われるなかで、文化財が消滅するという現実を実感させられた。
この実感が、「歴史資料保全ネット・わかやま」(民間のボランティア団体)の結成や
和歌山県立博物館の取り組みのきっかけとなり、
特別展「災害と文化財」の開催(2012年4月28日~6月3日)につながっていったとお話しました。
「2来たるべき大規模災害への対応」では、
特別展「災害と文化財」の開催後も継続して、「災害の記憶」に関わる記念碑、古文書の調査を行ことにし、
まず、災害記念碑の悉皆調査を二年間に渡って行ったことを紹介しました。
そして、今年度からは県立博物館だけでなく、文化遺産課や県立文書館と連携して
「災害の記憶」の発掘と文化財所在確認調査を行っていることを紹介しました。
今年度は、文化庁から「地域に眠る『災害の記憶』の発掘・共有・継承事業」に対して補助金を得て、
那智勝浦町、御坊市・美浜町・日高川町で調査で行っている様子を紹介し、
年度末に向けて、調査成果の一部を紹介する冊子の作成や現地学習会の開催などを行う予定であるとお話しました。
まだあと各種テーマを取りそろえ、3回ほど講座は続きます。
毎回完結した話ですので、興味のある回のみの聴講でもOKです。
次回の講座は、特別展開催後11月3日(月・祝)に行います。
是非、特別展とあわせてお越し下さい。
 (主任学芸員 前田正明)

ツイートボタン
いいねボタン